LED電球トライアル3:色温度
f0158244_719269.jpg 今回のメインとなる色温度。

 今回のシャープ製LED電球は色温度を変えることが出来るのが大きな特徴。
 今現在の家庭用LED電球で,これが出来るのは,シャープだけ。(今年のCEATEC JAPANでパナが試作品を参考出品していたが,今のところ発売のアナウンスなし)



 色温度の制御も明るさ同様のパターンでリモコンで行います。色調の専用ボタンは,昼白色・中間色・電球色。
 色調ボタン毎の色温度↓
・昼白色 5200K/M6
・中間色 3800K/M3
・電球色 2700K/M3

 色調のプラス/マイナスで7段を変化させた時↓(光量はフル発光状態)
(便宜上,昼白色側を#1,電球色側を#7として表記)
・#1 5200K/M6(192ミレッド)
・#2 4700K/M5(217ミレッド,#1に+25ミレッド)
・#3 4200K/M4(238ミレッド,#2に+21ミレッド)
・#4 3800K/M3(263ミレッド,#3に+25ミレッド)
・#5 3400K/M2(294ミレッド,#4に+31ミレッド)
・#6 3050K/M2(333ミレッド,#5に+34ミレッド)
・#7 2700K/M3(370ミレッド,#6に+46ミレッド)

 これらは,明るさで測ったISO800 f2 1/100の露出で撮ったのですが,電球色側は露出が不足気味になりました。先に書いたように「全光束: 430 lm(昼白色相当)~300 lm(電球色相当)」通りの結果に。
 下がった程度↓(画像が同じなる様に,昼白色を基準にRAW Image Taskのデジタル露出補正機能を変化させた時の補正量)
・昼白色(5200K/M6)±0EV
・中間色(3800K/M3)+0.3EV
・電球色(2700K/M3)+0.6EV

 色調の1段当りの変化量は,おおむね均等と判断していいのでしょうか?(バラツキありすぎ?)
 色調が7段。光量も7段切替えですから,全部で49通りのパターンになります。
 物好きなアタシでも,49通りをみんなチェックする気にはなれないので,それはやらないことにしておきます(笑

 同じセットで別の光源を測ったもの↓
・シーリング    4700K/M2
・普通の電球    2760K/GM0
・電球型蛍光灯(L)2760K/M6
・電球型蛍光灯(N)5100K/GM0
・色評価用蛍光灯  4800K/M1
・550EX      6300K/GM0
 ISO100 f2.8 1/100 マニュアル発光 1/128発光
・580EX      6800K/GM0
 ISO100 f3.5 1/100 マニュアル発光 1/128発光

 580EX I型の色温度がクリップオンストロボのくせして(さらには小発光量なのに),高いのですが,別件でキヤノンに修理させたら,こうなって返ってきたのです(修理前は5600Kぐらい)。
 上で測った通りで,手持ちの蛍光灯は,評価用は勿論のこと,三波長だって,5000Kぐらいでガンバってくれているというのに,カメラメーカーの照明用具である580EXの色温度は全然合ってない。キヤノンなので,そんな程度です(笑
 シーリングは日立三波長蛍光灯(昼白色)で新品の時は,4900K/M4でした(シェードあり)。使い始めて約半年経ちましたが,いくらか下がった?新品の時とちょっと測定位置が違うので単純比較は無理か?
 電球型蛍光灯(N)って,優秀。同じパルック印でも,丸管はダメダメ君。単に,この個体の良かっただけ?どちらもあまり使っていないので,初期性能に割合近かったのだと思いますけどね。

 データのまとめは,ここ↑に書いたとおりですが,色味が確認できるように以下,画像を載せます。(すべてLED電球の光量はフル発光状態。色温度を変化させると光量も変わってしまうので,それに追従させて露出も変えている)

●ホワイトバランス:太陽光
 ホワイトバランスを太陽光に固定して,LED電球の色温度を変化させた場合。
・ホワイトバランス:太陽光 LED電球の色調:昼白色(実測 5200K/M6)
f0158244_5542860.jpg
・ホワイトバランス:太陽光 LED電球の色調:中間色(実測 3800K/M3)
f0158244_5545422.jpg
・ホワイトバランス:太陽光 LED電球の色調:電球色(実測 2700K/M3)
f0158244_555153.jpg
 昼白色は,ちょっとだけ緑カブリ。気が付かなかった事にしちゃってもいいレベルですが,ホワイトバランス:太陽光のまま,各々GM補正を入れたもの↓

●ホワイトバランス:太陽光+GM補正
 上と同じくホワイトバランスを太陽光に固定だが,GMだけを実測値に応じて補正。
・ホワイトバランス:太陽光+GM補正 M6 LED電球の色調:昼白色(実測 5200K/M6)
f0158244_6154333.jpg
・ホワイトバランス:太陽光+GM補正 M3 LED電球の色調:中間色(実測 3800K/M3)
f0158244_6155983.jpg
・ホワイトバランス:太陽光+GM補正 M3 LED電球の色調:電球色(実測 2700K/M3)
f0158244_6161617.jpg
 昼白色は,肉眼で見えている感じに近いです。って,キヤノンの太陽光は5200Kなので,実測値の通りになっただけ。
 中間色と電球色は,グリーンかぶりよりアンバーの方がのってくるので,M3程度の補正は,わからないレベルです。元々がM3程度ですから,無視出来るレベルと思います。

●ホワイトバランス RGB揃え(色温度直接設定)
 上の画像とは逆にホワイトバランス側を変化させたもの。ホワイトバランス側をグレー基準で揃えてしまえば,どの画像も同じ色味になるのか?
・ホワイトバランス:5200K/M6 LED電球の色調:昼白色
f0158244_6345479.jpg
・ホワイトバランス:3800K/M3 LED電球の色調:中間色
f0158244_6351598.jpg
・ホワイトバランス:2700K/M3 LED電球の色調:電球色
f0158244_6354491.jpg
 だいたい同じような感じには,なりました。
 でも,厳しい目で見た場合,微妙にどれも違っています。今回は,(ソフトの都合上)手作業で色温度を設定していますが,クリックホワイトバランスを使ったとしても,手順が異なるだけで,結果は同じです。グレーカードを使う方法というのは,単にRGB値が揃っただけ。無彩色系以外の色まで,すべて揃うわけじゃないです。
 この現象の理由をちゃんと説明した物は,まだ見たことがありません。当方の経験で申し上げますと,各々の光のスペクトルが異なるので,ホワイトバランスで補正しても,スペクトルの成分(変な言い方)まで変えられるわけじゃない,と思っています。

●別光源との比較
 グレーを基準にRGB値が揃うようにしたもの。
 光源が違えば,グレーで揃えても色味は変わってくるので,それを比較するもの。なお,ここでは比較しやすいように,画像をRAW Image Taskのデジタル露出補正機能で微調整し,明るさを出来るだけ揃えています。
・シーリング 4700K/M2 ISO800 f2 1/100
f0158244_719269.jpg
・普通の電球 2760K/GM0 ISO800 f2 1/160
f0158244_7195619.jpg
・電球型蛍光灯(L) 2760K/M6 ISO800 f2 1/250
f0158244_7204750.jpg
・電球型蛍光灯(N) 5100K/GM0 ISO800 f2 1/160
f0158244_7213447.jpg
・色評価用蛍光灯 4800K/M1 ISO800 f2 1/80
f0158244_722674.jpg
・550EX 6300K/GM0 ISO100 f2.8 1/100 マニュアル発光 1/128発光
f0158244_7224841.jpg
・580EX 6800K/GM0 ISO100 f3.5 1/100 マニュアル発光 1/128発光
f0158244_723895.jpg
 今回の実験のピクチャースタイルはすべて忠実設定を使っています。キヤノンは,忠実設定は「5200K付近で測色的に忠実になる」としています(その割には肌色がマゼンダかぶりになるのは,この際,問わないでおこう。笑)。これは,逆説的に読むと5200Kから大きく外れると色味がズレてくることもある,と受け取れます。よって,3000K以下の普通の電球と電球型蛍光灯(L)は,色味のズレが生じているかもしれません。

 チャート類は背景に置いたホワイトボートに立てかけてあります。
 画面の上側の白い部分は,そのホワイトボートなのですが,照明の写り込みがあります。写り込み具合が,LED電球と普通の電球・スパイラル蛍光灯では違っています。光の拡散の違いなのか?単に光量が違うからなのか?

 当方にとっては,LED照明というと「緑カブリ」の印象が強いです。
 LED照明と言っても,さまざまはタイプ・用途があって,まとめて「緑カブリ」で括ってしまうのは,どんなものか?と,自分でも思いますが,主要被写体が人物の場合,緑カブリは,なんともやっかいなので,どうしても,かぶりのことが先に来てしまいます。蛍光灯などの経験では,上に示したとおりで,グレーでRGB値が揃うホワイトバランスにしても,緑カブリは残ってしまいます。
 今年(2009年)のCEATEC JAPANで技術説明員の方に演色性について尋ねたところ「(一般に)LEDは演色性は良い。特にDL-L60AV(今回のモデル)は演色性は良いと思っている。(シャープとしては家庭用は初めてなので)お客さんがどう感じるか?」の旨のお話がありました。
 LED電球の元箱には宣伝として「おいしさが映える あかり-料理やお肌の色をより自然に表現」とあって,演色性を訴求ポイントにしているようです。
 昔のことですが,ナショナルのパルックが世の中に出てきた頃,うちのばあちゃんが「これだと,お刺身がおいしそうに見えるね」。年寄りにだって,綺麗な照明は,わかるものです。
 このLED電球は,緑カブリがありますが,(写真撮影としては)ギリギリでしょうか。
 経験的にはRAW Image TaskのM5が分岐点。M4以下は考えなくてもいいレベル。M6以上になると補正が必要。
 ただ,M6補正なってしまうのは5200Kだけ。色温度が下がるにつれて良くなっていくので,用途次第でしょうか。

 色温度は,公称 5400K~2650K,実測 5200K~2700K。
 公表されている数値を満たしていませんが,そもそも当方の測定方法が妥当なのか?測り方が異なるので,単純比較できません(シャープはJIS規格だと思うし,計測器の較正もしていると思う)。また,他の照明も今回同様の手順で測っていますが,公称とは違うのが普通です。
 ここでは,数字を絶対値的に捉えるのではなくて,他の光源との相対的な比較として読み取ってもらえればと思います。

 別の機会に得たLED照明も含めた色温度のまとめ↓
・シャープ製 LED電球 昼白色モード 5200K/M6
・シャープ製 LED電球 中間色モード 3800K/M3
・シャープ製 LED電球 電球色モード 2700K/M3
・シャープ製 LED電球 昼白色    4600K/M7(CEATEC JAPAN 2009展示品。調光器対応タイプ)
・パナソニック製 LED電球 電球色  2800K/M3(CEATEC JAPAN 2009展示品)

・日立製     三波長蛍光灯(昼白色)   4700K/M2
・東芝製     三波長蛍光灯(昼白色)   4500K/M6
・ナショナル製  三波長蛍光灯(昼白色)   4300K/M9
・ナショナル製  三波長蛍光灯(昼光色)   5500K/M7
・パナソニック製 電球型三波長蛍光灯 昼白色 5100K/GM0
・ナショナル製 電球型三波長蛍光灯 電球色  2760K/M6
・三菱オスラム製 色評価用蛍光灯       4800K/M1

・ナショナル製 普通の電球    2760K/GM0
・ナショナル製 クリプトン球   2475K/M3
・キヤノン製 ストロボ 550EX   6300K/GM0
・キヤノン製 ストロボ 580EX I型 6800K/GM0

・CEATEC JAPAN 2009 シャープブース天井照明(LED)      4400K/M9
・CEATEC JAPAN 2009 ロームブース天井照明(LED)       4400K/GM0
・ワイヤレスジャパン2009 シャープブースディスプレイ照明(LED) 4700/M9
・東京モーターショー2009 BSブース受付(LED)          4700K/M3
・東京モーターショー2009 豊田合成ブース 天井照明(LED)      4500K/M7

・LED懐中電灯(A) 8100K/G4
・LED懐中電灯(B) 6800K/M2

 色温度可変の照明を家庭用として売り出したのには,ややビックリ。
 調光は理解の範囲内。でも,調色の方は,一般家庭での具体的な利用シーンが思い浮かびません。たった1灯での調色のために,買う人いるの?何年も前から展示会では生活シーンにあわせて,照明の色を変える提案していますが,あれは,展示会のステージでの話。技術的に可能であることと,量産して売るのはワケが違います。
 (当方が憶測しても仕方ないことですが)演色性の改善やLED電球単体での調光に対応させる過程の中で,調色も盛り込めたんじゃないですかね?あとは技術レベルを示すための,いわゆるフラッグシップモデルとしての位置付け。調光との組合せという点では,照明デザイナーや家具屋がランプではなくて器具として使うというもの考えているかも。そういう技術以外の要素も入り混じったバランスの中でのモデルのように見えます。
 なにが言いたいかというと,おおよそ売れるとも思えないのに,よく出したな。と。
 現にランプ屋でもある東芝,パナは,可変のモデルを出していません。

 色温度を変えられるのはシャープだけですが,色温度固定のタイプでも,たしか,東芝のは白色と電球色。パナは昼光色と電球色。念のため調べてみたら東芝は今秋から昼白色の新型を投入。家庭用と考えたら(蛍光灯の世界で言うところの)白色なんて利用シーンが思い浮かばないもの。あれは,たーだ明るいだけのシロモノ。パナはあいかわらず昼光色。蛍光灯だとパルック色なるものもあったりして,青が好き(笑)。この分野は従来の電球を置き換えるものなので電球色が中心なのはわかります。そんな中で写真用にも使える5000K強の製品を出してもらえるのは,ありがたいものです。

 一般にランプは,新品の時がもっともコンディションが良く,使っているうちに性能が下がっていきます。タングステン系だと500時間とか1000時間が寿命ですから,性能が落ちていくのがわかってしまうのですが,LED電球は40000時間になっているので,比較的長い間,初期の特性が維持されるという期待があります。

 いいことづくめのLED照明ですが,(以前から言われていることですが)ネックはお値段。超寿命であること勘案しても,従来のランプ単体に比べれば高価なのに変わりはありません。今年,LED電球でブームに火を付けたシャープのですら,まだ高い。ランプ単体と機械構造が異なるLED電球が高くなってしまうのは仕方ないと思いますが,この値段なら許せる範囲,というところまで早く来て欲しいものですな。

【関連リンク】
LED電球トライアル
http://rainbow55.exblog.jp/12383047/
LED電球トライアル2:明るさ
http://rainbow55.exblog.jp/12383053/
LED電球トライアル3:色温度
http://rainbow55.exblog.jp/12383101/
LED電球トライアル4:ミックス光
http://rainbow55.exblog.jp/12383292/

TMS 主要ブース照明・色温度一覧
http://rainbow55.exblog.jp/12180949/
LED照明の色温度-CEATEC JAPAN編
http://rainbow55.exblog.jp/12105147/
LEDの懐中電灯
http://rainbow55.exblog.jp/11798272/
[PR]
by rainbow-5 | 2009-11-29 22:55 | 撮影実験 | Comments(0)


<< LED電球トライアル4:ミックス光 LED電球トライアル2:明るさ >>