当方がLED電球を撮影に使うとすれば,当面の間は,補助光の役割になるかと思います。
その場合,ミックス光になるので,せっかくなので,その確認もしたいところ。 ●ミックス光 実験したかったのは,2種類の照明で照らしているところを各々セパレートした状態で1カットに収めることなのですが... モノが光線なので,これがなかなか難しいです。各々の光が,当ったり,回り込んだりしますから,条件を固定することが出来ません。比較実験なので,チェック項目以外の条件を固定する必要があるわけですが,写真スタジオのようなスペースと設備・道具があれば別ですが,アタシの武器じゃ,たかがしれています。 http://www.sharp.co.jp/corporate/report/led2/index.html > LED電球と従来電球の比較 ここ↑にあるデモ器と同じようなものがいいです。4灯は必要ないです。2灯分で十分。2灯なら,単に合板やスチレンボードで仕切れば,いいですかね?仕切れたとしても,照明の明るさを合わせられるのか?そういうのが出来たとしても,それを引きで撮れるような大きな部屋がありませんわ(笑 (当方の環境では)実写は難しいので,トライアル3(色温度比較)で使った画像のRAW現像パラメータを合わせて処理し,その画像をPhotoshop上で2枚を合体させて,1カットで撮った気分にひたることにしました。 試しにやってみたのが,これ↓ まぁ,これでも,全体の感じは,つかめるかな? ちゃんとやるならば,セットを変更して,もっと白を多くした方が,いいと思いますけど。 いくらミックス光の実験とはいえ,考えられるパターンをマトリックスにして全パターンをやったら組合せが多すぎて大変。パターンを絞り込みます。 当座,考えられるシーンは,ネットオークション出品写真,ハウススタジオでの利用でしょうか? 組合せで言うと,自宅でのクリップオンストロボ+LED電球。シーリング+LED電球。ハウススタジオの方は,太陽光+LED電球,リファー+LED電球,アイランプ+LED電球。撮影会運営者は,リファーやアイランプなどを持っていることが多いので,それらとのミックス。撮影シーンで言うと,窓際などで太陽光+LED電球のミックスでしょうか。 ・シーリング+LED電球(調色機能で設定した色調) ネットークション用を想定したもの。 ホワイトバランス:太陽光にしたもの↓ 左:シーリング(実測4700/M2) WB:太陽光(処理5200K) 右:LED電球(調色機能の#2,実測4600K/M5)WB:太陽光(処理5200K) シーリングの色温度に合わせたもの↓ 左:シーリング(実測4700/M2) WB:4700K/M2 右:LED電球(調色機能の#2,実測4600K/M5)WB:4700K/M2 もう,ほとんど同じ。ここまで合うなら十分でしょう。 それも,LED電球の色温度を変えられる事,演色性が比較的良い物同士だからでしょう。シーリングの方がパルックだったら,ここまでマッチしないよな(苦笑 ・普通の電球+LED電球(電球色) タングステン系照明(リファーやアイランプ)を想定したもの。 ホワイトバランス:白熱電球にしたもの↓ 左:普通の電球(実測2760K/GM0) WB:白熱電球(処理3200K) 右:LED電球(電球色・実測2700K/M3)WB:白熱電球(処理3200K) 普通の電球の色温度に合わせたもの↓ 左:普通の電球(実測2760K/GM0) WB:2760K/GM0 右:LED電球(電球色・実測2700K/M3)WB:2760K/GM0 ここまで完全補正しちゃうと,タングステン系の特長はなくなってしまいますな。それがいい場合ともうちょっと暖色系が欲しい場合があり,それは状況次第でしょうか? 2者比較の方は,まぁまぁ同じようになりましたが,コーラの缶の下のタオルが,けっこう違っています。見た目の感じに近いのは,普通の電球の方。LED電球の方は補正をしていないので,こうなるのは当然ですが,ここの目的はミックス光のシュミレーションなので,こういう事に。 話は脱線しますが,照明が普通の電球の時,ホワイトバランスモードを白熱電球にしても完全補正になりません。なぜなら,キヤノンの白熱電球モードの色温度は3200Kになっているから。 この普通の電球の実測は2800K弱。3200Kと2800Kの差をミレッド値にすると45ミレッドになります。このミレッドは5200Kに当てはめると5200K→約4200Kになります。低い色温度側なので2800Kと3200Kの違いは大きいこと。 それでは,どうして,キヤノンは白熱電球モードを2800Kでなくて3200Kにしているのか? 当方の想像では,フィルム時代のタングステン フィルムに合わせているのだと思います。写真用アイランプの色温度は3200Kとなっていました(カタログ値)。 ですから,キヤノンの白熱電球モードは,家庭で使われているシリカ電球やクリンプトン球のためにあるのじゃないのです。 それでは,照明がシリカ電球やクリンプトン球で白熱電球モードを使ったら変になるか?とも,限りません。その場合,色味は暖色系に振れるので,場の雰囲気が残ります。人物が入っているような場合は,結果オーライ? 上の実験画像のように完全補正するやり方の時は,アンバーかぶりになってしまいます。 ・電球型蛍光灯(N)+LED電球(昼白色) 撮影用蛍光灯照明を想定したもの ホワイトバランス:太陽光にしたもの↓ 左:電球型蛍光灯(N)(実測5100K/GM0)WB:太陽光(処理5200K) 右:LED電球(昼白色・実測5200K/M6) WB:太陽光(処理5200K) 電球型蛍光灯(N)の色温度に合わせたもの↓ 左:電球型蛍光灯(N)(実測5100K/GM0)WB:5100K/GM0 右:LED電球(昼白色・実測5200K/M6) WB:5100K/GM0 これも,微妙なところ。許せる範囲とも言えるし,違うといえば違うし。 逆説的な見方としては,電球型蛍光灯(N)が良すぎる(笑)。もうちょっと緑かぶりがあってくれたら,マッチしたと思うんですけど。 ・クリップオンストロボ+LED電球(昼白色) ホワイトバランス:太陽光にしたもの↓ 左:LED電球(昼白色・実測5200K/M6) WB:太陽光(処理5200K) 右:クリップオンストロボ(550EX・実測6300K/GM0)WB:太陽光(処理5200K) 便宜上,LED電球(昼白色)の色温度に合わせたもの↓ 左:LED電球(昼白色・実測5200K/M6) WB:5200K/M6 右:クリップオンストロボ(550EX・実測6300K/GM0)WB:5200K/M6 こんなに違ってしまっては,ちょっと厳しい感じです。 このLED電球の一番高い色温度にしていますが,上限になので,これ以上,上げようがありません。 てか,ストロボの方が青すぎ。この辺りで,1000K違っていれば,こうなって当然。 そこで,今回は,ストロボにフィルターをつけて,色味を調整してみました。 上に同じ。但し,ストロボにフィルターを付ける。 左:LED電球(昼白色・実測5200K/M6) WB:5200K/M6 右:クリップオンストロボ(550EX・実測6300K/GM0)+照明用フィルター WB:5200K/M6 照明用フィルターはLBA-4.2+CC-G8.5相当。(右の写真は本項のためにフィルターを付けて再撮しています) 十分OK。 フィルターを付ければ,何でも合わせられるか?というと,そんなことはないですけど。 フィルターだって,分光特性があるので,さらに変になってしまう可能性もあります。 ではありますが,異なる照明の色温度を近づけるだけでも,全体の色味が,よくなることが多いので,揃っている(あるいは,近づけている)に越したことはないと思います。 もっとも,60W相当LED電球と瞬間光のストロボじゃ,光量が違いすぎるので,こういう形で使える場面はないかも。 ●フリッカー 60W電球相当の明かりですから,普通は1灯や2灯で高速シャッターは使えませんけど,せっかくなのでフリッカーを確認することにしました。 結論は,問題なし。 証拠写真↓。シャッター優先AEで,露出が追従する程度にISO感度を上げています。なお,当方は関東在住。 ・1/50 ・1/60 ・1/100 ・1/250 ・1/320 ・1/500 ・1/640 高速シャッター側の明るさが暴れているように見えますが,これはレンズの周辺落ち。1/640のは,ISO3200,絞り開放でした。 フリッカーらしきものは,見当たらず。 家電Watchの動画がチラついていたのは,なんだったの?LED電球じゃなくて,天井照明だったのかしら? 取材の時,カメラの設定を誤ったとか?(苦笑 ●その他諸々 ・LED電球も,熱を持ちます。ガラス面は,それほどでもありませんが,(メッキ部を含む)銀色となっている金属部分は,素手で触るのは危険だと思います。ここがフィン状になっているのは放熱のためなのでしょう。 ・一応,遮光カーテンを使っていますが,昼間は若干の外光が入ってしまうので,テスト撮りは夜になってからやってます。 ・蛍光灯は,ウォームアップを30分程度しています。 ・ストロボは直射です。(こんなの滅多に使わんけど) ・パソコンにおける周辺落ち・歪み補正は行っていません。撮ったまんまです。シグマなのでキヤノンソフトじゃ補正できないの(笑 念のため,補足しておくと,チャート類の上側にグレーの塩ビ板があります。約60cmなので,そのまま横に置くと歪みます。撮ったものが,このところで歪んでいるのはシグマ50/1.4の性能ではなくて,被写体の歪みです。 ・今回の記事は当方の判断で勝手に書いたものです。感想文を書くことがプレゼントの条件になっていたわけではありません。 ●まとめ(になっているか?) 今年は,LEDに接する機会が多かったです。 ただ,それらは,主に展示会の照明や大型映像装置の話であり,自分で手に入れて,自分で使うのとは,違う世界でした。 今回は,自分の手元で,ちゃんと確認できたのは良かったです。 当方の使い方では,この1灯では,どうみたって,メインライトにはならないわけで補助光用です。メインの色温度に合わせることになるわけで,それがリモコンで出来るなんて,ステキ。 アイデアとしては,LED電球を6灯ぐらい連結してフラットライトのようにしてみる? 用途次第ですが,撮る物によっては,十分じゃないでしょうか。アマが,撮影用だけに使う分には(寿命が長いので)一生モノかもしれません(笑 完 【関連リンク】 LED電球トライアル http://rainbow55.exblog.jp/12383047/ LED電球トライアル2:明るさ http://rainbow55.exblog.jp/12383053/ LED電球トライアル3:色温度 http://rainbow55.exblog.jp/12383101/ LED電球トライアル4:ミックス光 http://rainbow55.exblog.jp/12383292/ TMS 主要ブース照明・色温度一覧 http://rainbow55.exblog.jp/12180949/ LED照明の色温度-CEATEC JAPAN編 http://rainbow55.exblog.jp/12105147/ LEDの懐中電灯 http://rainbow55.exblog.jp/11798272/
by rainbow-5
| 2009-11-30 21:35
| 撮影実験
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