最近,見たもの(プリウス関連)
 ここのところ写真blogでない脱線が続いているので,さらに脱線。
 トヨタの騒動のお話。



 昨年のレクサスのアクセスに端を発して,直近はプリウスのブレーキになり,どうやら北米ではカローラに飛び火していますが,一連の件は,あれや,これやが,ゴッチャ混ぜになっていて,なんともなぁ~(笑

 直近のプリウスのブレーキの場合,当初,わからなかったのは,どうして,こういう仕組みになっていたのか?純粋,技術的な事です。
 (現時点における)当方の結論は「新しい仕組みのことを,ちゃんと説明しなかったのが,よくなかった」のだと思っています。
 よって,技術的にみれば,リコールなんて,全然必要なかったハズ。

 報道でみる限り,トヨタの技術系重役さんも同じような思いなんだと思いますわ。
 ただ,そういう事情であったにせよ,記者会見で,それをそのまま言っていまうのは,よくなかったわね。
 そういう,関連事項まで話を拡げると,面倒なので,ここでは,まずは技術的な話を。

・トヨタ、「プリウス」のリコールに関する記者会見
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100210_348129.html
> 一般的なクルマのように、ペダルを踏むことで発生した油圧によってメカニカルにその
> ままブレーキを作動させるのではなく、フライバイワイヤー、つまりペダルが踏まれた
> 圧力を一度センシングし、それを元に電気式のポンプによって発生した油圧を使って制
> 動力をコントロールしている

 タームとして,回生ブレーキ,油圧ブレーキ,ABSが登場しますが,どうして,こんなことになったのか?最初,そこのメカニズム的に合点がいかなかったのですが,これで,ようやく理解することが出来ました。
 フライ・バイ・ワイヤからの転用でいうなら「ブレーキ・バイ・ワイヤ」ってことです。もっとも,今回の騒動に「ブレーキ・バイ・ワイヤ」というタームを当てはめると,ちょっとでもブレーキを踏めば制動が作用するシステムと受け取れるのでタームとしては良くないですけど。

 なお,クルマのエンジン系では,フライ・バイ・ワイヤの転用でドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)という言葉があります。自動車部品メーカであるボッシュによる説明↓
・電子式スロットル制御 (ETC/EGAS)
http://rb-kwin.bosch.com/jp/ja/powerconsumptionemissions/gasolinesystems/direct_gasoline_injection/egas/index.html
 アクセルペダルモジュール → ECU (Electric Control Unit) → 電子スロットルバルブの順で,信号が流れていってエンジンの制御を行っています。
 実際には,エンジンの状況等をセンサ類で拾ってEUCへ入力して演算の判定に使っていますし,燃料ポンプも電子化されていますから,関連するシステムフローは,もっと複雑になっています。

 DBW同様の仕組みをプリウスでは,ブレーキシステムにも使っているとのこと。
 当方は,ABSがあるとは言え,ブレーキなんて,そんな面倒なシステムになっているとは思っていませんでしたが,ハイブリッド車だとこういうことなっているわけですな。
 それでは,同じハイブリッド車のホンダのインサイトは,どうなのよ?
・なぜトヨタだけ?同じハイブリッドでもホンダ大丈夫なワケ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100209/dms1002091248006-n2.htm
> トヨタのシステムの方が回生ブレーキの作動によって蓄えられる電力量が多くなると
> みられています。蓄える電力量が大きくなれば、それだけ燃費性能も向上します

 やっぱり,そういう事ね。
 ホンダは,そういう点では,従来からのフィーリングを残すようにしたとも受け取れます。

 となると,良かれと思ってやった事が,結果論ではあるが,よろしくなかったということに。
 「ハイブリッド車は,内燃機関エンジンだけじゃないのだから,ブレーキの仕組みが違います。運転フィーリングは変わる事があります」そういう説明を最初からしておけば,それで済んだだけかも?
 そんな風に感じたのです。
 民航機でいうと,トヨタがエアバス流。ホンダはボーイング流ってところでしょうか?
 自動車のアクセスはサイドステックじゃないけど,DBWなら,やろうと思えば,そんなに難しいわけじゃないッス。プリウスの場合は,ブレーキシステムも同じですな。

 テレビ・新聞で,こういうところまで説明していたところって,ありましたかね?
 モリゾウさんの態度が,どーのこーの,とか,そんなのばっか(苦笑
 会社の対応としては,褒められたものじゃないので,ああいうのは仕方ないでしょうし,過ぎてしまった事を今さら,どうこう言ってもしょーがないところですけどね。
 いちおー,当方と同じような事を書いているところもありました↓
・プリウスのブレーキ問題に見る燃費追求と安全・安心の狭間
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20100209/103150/
> エコカーはこれまでのガソリン車とは構造が違うのだから、その環境性を最大限に引き
> 出す場合、やや異なった運転感覚になります」という、ドライバーや消費者への事前
> 説明や啓発がもっと必要だっただろう

 (通算3回目の)直近の会見↓
・トヨタ、「ブレーキ・オーバーライド・システム」を全車に搭載
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100218_349614.html
> 事前に“ブレーキのフィーリングがこれまでと異なる”と説明すればこの問題は
> 防げたかもしれない」と述べた

 自覚があるみたいです。
 自覚があるからこそ,一番最初の会見で「フィーリングの問題」と言ってしまっんだと思いますけど。
 技術的には正しかったのかもしれませんが,あの時点で,事は,既にそう次元じゃなくなっていたので,会社としては,これまたまずかったですな。

 ところで,この直近の会見では,プリウスのブレーキとは別件の「予期せず急発進する」対策として,ブレーキ・オーバーライド・システム(BOS)を今後導入すると表明しています。
 この会見記事を読む限りでは,トヨタのDBWでは,EUCの制御の中で二重化を図っているので,これまではBOSは不要と考えていたようです。
 上に示したボッシュの説明にある通りで,EUCの方が上流にあるので,上流で制御すればいいわけで,下流側となる電子スロットルバルブで強制的に燃料カットをするBOSは不要ということです。

 あと,CarWatchさんよ。誤解を与える書き方あるよ↓
> BOSは、アクセルとブレーキが同時に踏まれた際に、ブレーキの動作を優先するシステム
 「ブレーキの動作を優先」となるのは結果論。システムとしては,燃料の噴射量を大幅にカットするものです。(完全にカットしたらエンストになる。走行中の場合,それはそれで危険)
> フォルクスワーゲン・グループなど、多くのメーカーがすでに採用している
 この文面だと,採用していないのはトヨタぐらいとも受け取れますが,国産車だとニッサンぐらいでしょうか?(もしかしたら富士重も)
 また,ここでいう,フォルクスワーゲン・グループとは,アウディを含むと思われます。

 BOSがいいのか?不要なのか?当方には,今のところ,よくわかりません。
 ただ,間違いなく言えるのは,BOSは,従来からの運転感覚とは異なるものです。
 燃料制御が電子化される前,つまりはメカ連動のアクセルとキャブレターの頃(初期の電子制御燃料噴射装置を含む),アクセルとブレーキを(一定の力で)同時に踏めば,アクセルの方が勝ったものです。アクセルはエンジンであり,ブレーキは制動装置ですから,そりゃ,エンジンが強いに決まっています。クルマとは,そういう機械です(でした)。
 それを逆手にとった,左足ブレーキを使った,ちょっとした運転テクニックだってある程です。

 BOSは,アクセルとブレーキを同時に踏むと燃料をカットするので,結果として踏んでいるアクセルは効きません。これは,従来の運転フィーリングとは違うものです。
 トヨタの会見では,この点に触れていませんが,当方の想像では,トヨタは,そういうところも検討した上で,これまでBOSを採用しなかったのだと思っています。
 逆にみると,じゃなんで,今回,急に方向転換して,BOSを付けることにしたのか?
 そんなことも思ったりしますわ(笑

 話をプリウスの方へ戻しますと。
 事がブレーキのことだったので,オーナーさんは,ちょっと不安になったかも?
 けど↓
・4台のプリウスに乗ってみたが……
http://allabout.co.jp/auto/japanesecar/closeup/CU20100208A/
> 少なくとも私が試した4台のプリウスは、どうやっても症状出なかった
 ですって。
> もしブレーキ抜けに遭遇してしまったら、ブレーキの踏み増しを行えば良い
 だよな。
 ちゅーか,これが,ふつーじゃないの?
 もし,フレーキを踏んで,(踏んだ量に応じた)期待したような制動が得られなかったら,さらに強く踏んでみるのが,ふつーのドライバーの操作なのでは?
 エンジン車とフィーリングが,違っているとか,同じとか,そんなの関係なしに,アタシだったら,絶対,そうすると思うけどなぁ。
 ブレーキを離してみるのは,そのあとでしょう。
 ですから,ユーザー側からみると,そんなに大きな問題には,当方には思えないんですよ。(当方≠プリウスユーザー)

 同じ国沢さんの後日↓
・特ダネで実証試験
http://kunisawa.txt-nifty.com/kuni/2010/02/post-de33.html
> 35km/hで進入し、回生制動だけ掛かる程度のブレーキングをしたら、見事に抜けました。
> 0,5秒とか1秒とかでなく、ブレーキペダルを動かさない限り、ブレーキ圧は高まらない。
> いつまでも空走してしまうということです。

 ほー。
> ただ踏み増せば効くことも確認出来た
 やっぱり(笑

 既に述べたように,今回の件は技術的なことだけじゃないのは承知しています。
 別にトヨタの肩を持つ気はありませんが,ちょっと気の毒だったような気がしていますわ。

 最後は,モリゾウさんのblog↓
・明日から東京オートサロン!
http://gazoo.com/G-Blog/Driver/182663/Article.aspx
 F1より東京オートサロンの方が,居心地がいいんだってさ(笑
 今年(2010年)も,会場で,お姿を拝見しました。


(関連リンク)
・トヨタ社長「なぜ出てこない」 批判受けてようやく記者会見
http://www.j-cast.com/2010/02/05059659.html?p=all
・「プリウス問題」感覚ずれてるのは 利用者かトヨタか
http://www.j-cast.com/tv/2010/02/05059525.html?p=all
・トヨタの記者会見に見る社長の孤独
http://diamond.jp/series/yamazaki/10117/
・ブレーキトラブルの原因は、ABSの制御プログラムに!
http://allabout.co.jp/auto/carmaintenance/closeup/CU20100209A/
・自動車業界に広がるトヨタ擁護論!プリウスのリコールは本来不要だった~不条理なバッシングの餌食になった企業の悲しい宿命
http://diamond.jp/series/ecocar/10030/
・レクサス暴走事故:暴走するとブレーキは効かない。Nレンジにも入らないかも。
http://nomano.shiwaza.com/tnoma/blog/archives/007137.html
・トヨタプリウスのリコールはあれでよかったのか
http://news.livedoor.com/article/detail/4604081/
・トヨタが米国民を怒らせた本当の理由を語ろう
http://diamond.jp/series/dol_report/10033/
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by rainbow-5 | 2010-02-20 23:47 | 日記 | Comments(0)


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