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ピントが合わない!?
 タイトルは,今月の朝亀の記事のこと。
 先週,別件で本屋に寄ったらカメラ誌の発売日の直後だったので目に留まったの。
 難癖をつけるために買ってみました(笑



 記事の方は,たいしたことは書いてなかったデス。
 技術的な意味で,合わない理由は説明してくれていますが,じゃ,どうする?となるとこれがサッパリ。もしくは,合わせるためにメーカーがデジタルになってから,どういう処置をしてきたのか?そういう取材もしてないし。
 よって,朝亀を買っても,問題解決にはならんでしょう。

 そういう事象が世の中にあって,それを記事として取り上げたことは,評価してあげたい気持ち。
 だったら,もっと切り込んでい欲しかったところ。
 そういうのをカメラ雑誌に期待するのが無理ってところか。
 昔のことになるが「カメラ購入・嫁バレしない方法」みたいなのを記事にしたことがあったのだから,ピントもちゃんとやれや。

 これまで,自分の記録としてピントのことを何度か書いてきましたが,散発的でまとめて書いたことはなかったかも?
 当方の結論は,この件は,メーカーで調整してもらうしかないと思っています。
 最近のカメラですと,ピントの微調整機能が付いていますが,あれで解決できるなら,結果がよければそれでいいと思いますよ。
 ただ,ズームレンズなんかだとズーム位置によってピントのズレ量が変わってしまったり,メーカー調整は各AFフレーム毎に行なったりするので,そういうのも含めて,メーカーにみてもらった方がいいと思ってます。

 キヤノンでの経験になってしまいますが,たーだ頼んでも改善されないことがあるので,次のことに気につけてもらった方がよろしいかと。
・ボディ・レンズをセットでメーカーに出す
 レンズ単品で出してしまうと,メーカーの(ボディの)基準値に合されてしまうので,自分のボディが基準値に合っていないと結果が出ない
・手持ちのボディ・レンズをすべてメーカーに出す
 問題のないレンズは調整に出さないで,NGのレンズとボディを調整に出した場合,ボディ側を調整されてしまうと,調整前にOKであったレンズがダメになる可能性がある。何度も行ったり来たりするなら最初から全部出した方が手っ取り早い。
 ボディは(検査には用するが)調整しないで,レンズ側調整だけとする手もある。
・調整前の実写テストの画像とその結果をメーカーに提出する
 人によって厳しさの度合いは異なる。どれぐらいまでがOKで,どこからNGなのか,メーカーの作業員は知ることが出来るので,結果的に近道になる。
・実写テストは自分がよく使う環境にする
 撮影距離や光源によってピントの位置は変わる。キヤノンの場合,焦点距離の50倍が試験条件になっているが,それで試験されても,自分が使うのは,それと大きく違っている場合は,50倍で試験されても,実環境と違ってしまう。現在のキヤノンの試験光源は5000K付近らしい。タングステン主体で使うなら,その旨を伝えてみる。
・実写テストは手作業でアウトフォーカスにピント動かして,その後,AFを作動させる
 (レンズによるが)アウトフォーカスの位置は,無限側いっぱい,最短側いっぱい,無限側にちょっと,最短側にちょっとの4パターンぐらいがいいのではないか?当方の経験では,無限側→ピント位置,最短側→ピント位置へAF駆動で,ピントが合う/合わないのクセを持っているレンズがある。言い換えると無限側→ピント位置へのAF駆動はジャスピンなのに,最短側→ピント位置へのAF駆動はピンボケになるようなことがあるということ。各々1ショットでは試験としては足りないと思われるので,3ショットぐらい撮って判断するのがいいような気もする。
・(キヤノンに限れば)実作業を行っている修理センターの担当者と直接コンタクトをとる
 当方は関東在住なので,幕張の修理センターの担当者と電話連絡を行うか,直接幕張へ持ち込むか。
 宅急便送付の場合は,事前に修理センターに照会をして状況を説明する。細かな話になると直接担当者が電話口に出る。送付する際も,その担当者を宛先に書いておく。新宿や銀座の受付では,間に人が入ってしまい書面だけとなるので話が通じない。
 なお,シグマは受付が川崎で一本化されており,実作業をする会津工場とコンタクトをとれないのでこの方法は無理。

 キヤノンがいい加減で,ニコンだったら絶対大丈夫?
 AF/デジタルになって当方はニコンを使ったことがありませんが,他のニコンユーザーさんの話などをまとめると,そういう傾向があるのは確かだと思いますが,程度の差はあっても,ニコンでもダメな時はダメみたいです。
 キャノン,ニコンはAFのピントのズレですが,他のメーカーとなるとAF精度自体が劣ったり,深度が深かったりして,この次元まで話が来ないようですな。逆説的にみるとキヤノン・ニコンユーザーならではの贅沢な悩みかも(苦笑

 これまでに(キヤノン・シグマの)メーカーにAFピント調整をしてもらって,どうにもならなかったのは,EF24-70/2.8だけです。(メーカー調整は,たしか4回?)
 確認基準は自分です。メーカー調整後に自分で確認した結果です。もしかしたら,他の方が見ればOKだったかも?
 反対に,他のレンズで当方はOKと判断していても,他の方の目でみればNGなこともあるかもしれません。
 シグマ24-70/2.8 HSMも(メーカー調整2回)ワイド側で少し甘いです。これは運用で工夫して切り抜けるようにしています。
 多少の出入りはありますが,これまでに調整を頼んだのは,延べで20本ぐらいなるので,確率的には,どうにもダメだったのは1本だけという状況です。

 以下,朝亀の感想文。

●人の目の性能で決める許容錯乱円の大きさ(101ページ)
 「最終画像をどこまで引き伸ばして、どれだけの距離で見るかが重要で」というのは正論だと思いますよ。
 けど,デジタルになって,モニターで画像を100%等倍で見るのが当たり前になってしまったのですから,事実上,許容錯乱円を使った考え方というのは破綻しているんじゃないですかね。

●色=波長によって異なるピント位置(102ページ)
 光源によってピントの位置は変わる。そういう言い方をこの記事ではしていませんが,そういうことです。従って,電球と太陽光ではピントの位置は変わります。撮り方によって,それが表面化する場合としないことはある思いますが。
 ニコンはメーターがRGBを見ているので,ピントを合わせる際にだいたいの色温度を知ることが出来る筈で,それをAFの補正係数に使っていると推察しています。
 キヤノンはメーターにRGBを使っていないので,ニコンのような芸当が出来ませんでした。最近の機種はAFセンサーにそれらしいセンサーを追加したので,これを使ってAFの補正係数に使っているのだと思っています。

●結像点は絞りの影響で変化(105ページ)
 メーカーにピント調整を依頼すれば,検査時の絞りは開放とするのが一般的でしょう(キヤノン,シグマは開放で検査することを確認済み)。
 単玉の場合,f2.8ぐらいをよく使う場合は「f2.8でピントを合わせてくれ」と申し出るのも手のひとつ。
 当方はこういう頼み方をしたことがありませんが,キヤノンと話をする中で,こういう頼み方が出来るのを確認しています。

●AF測距点は中央か周辺か それともライブビューなのか
 「どれも一長一短なのだ」
 って,書かれてしまうと,その通りとしか言いようがないですな(苦笑
 この記事全般を通しても書いてありませんが,広角系の方がAFは合いにくい。望遠系の方がAFは合いやすい。いろんなものが入り込んでいる広角系の方が苦手で,クローズアップとなって余計な物が入り込んでいない望遠系の方が得意なのはわかりそうなもの。
 そういうのも使い分けのファクターになってくるわね。
 当方は,真ん中を使って支障がない場合は,真ん中を使って振ってます。この使い方で注意するのは,手振れ補正機能がある場合はOFFにしておくこと。状況次第ですが,振った直後にシャッターを落とすと手振れ補正と喧嘩になってブレが増幅されることがあります。
 また,コサイン誤差を回避する妥協策として,本当は一番外側を使いたいのけど,精度が悪くなるので,外側と真ん中の中間を使うこともあります(多点機の場合)。

●AF方式によるピント精度の違い(109ページ)
 作例は,構図のセンターから少し外れたところ(条件的に少し悪くなるという意)を拡大しているとはいえ,解像感がイマイチの印象。
 撮影データをみると「キヤノンEOS 5D MarkII・50ミリF1.4・絞り優先AE(絞りf1.4)・・・」
 EF50/1.4なの?あれだったら,もっと豪快にホアホアのハズ。ついでに四隅も落っこちるハズ。

●AFに不安があればメーカーへ ピント調整機能は苦肉の策?(110ページ)
 ネット上にはいろいろなことが書いてあったりしますが,今現在の状況↓
・キヤノン→無償
 「ボディ・レンズが1年保証の内なら無償。保証内が1つでもあれば全部無償,1個もなければ有償」
 これ↑はない。過去には,こういう↑ルールでやっている時代もあったが,最近は(少なくとも2008年から)すべて無償。ベストピント調整だけなら,1年保証を過ぎたものも無償,中古購入でも無償,レンズも,ボディもみんな無償。
 (以前も書いたが)依頼した時はベストピント調整だけであっても調整前の点検で要修理箇所が見つかった場合は修理を行なった後,ピント調整となる。ピント調整前の修理作業は別件だから通常の保証範囲なるので1年保証を過ぎていれば修理自体は有償となる。
 -2012.1.29追記
 2011.12.5受付分から有償化されました。詳しくは,後述のリンクを参照下さい。
・シグマ →無償
 1年保証を過ぎたものでも,無償対応する。
・ニコン →ややこしい
 1年保証はその範囲内。1年保証を過ぎたものは修理センター直接持込みの場合は無償。宅急便等による送付サービスの場合は有償。いづれの場合も保証書(中古品の場合は領収書等)が必要。有償の場合,修理・点検メニューの中にベストピント調整があるので,一般的な点検より単価は安い(機種ごとに単価は異なるとのこと)。1個でも保証内があった時はどうなのか?再調整はどうなのか?販売店経由の場合はどうなのか?面倒になったので聞いていない(笑
 この記事を書くために,今週,各メーカーに問い合わせて再度確認した。

●光は完全に一点には集まらない(111ページ)
 キヤノンとニコンのピント調整機能の画面。
 出た。キヤノンが英語で,ニコンが漢字。キヤノンは目盛りが左右だけど,ニコンは上下。なんでも反対。
 でも,両社共々目盛りは±20までだったりして。
 ±10じゃ足りないけど,±30じゃ多過ぎってことなのか?

●AFを調整する機能の効果(111ページ)
 作例は「EF 100ミリF2・絞りf3.2」
 EF100/2は解像感が高いです。
 なので,拡大すれば,こんな感じなるのは,話としてはわかる。

●メーカーに聞く「ピント調整機能」の必然性(110ページ)
 「キヤノンの古都さんは、「ピントやズームなど駆動する部分が多いレンズは、使っているうちに緩むことで、ピントが合いづらくなることがある」という。」
 ほ~。これは初耳。でもちょっと考えれば,わかりそうなもの。
 キヤノンのサービス氏は,ズームリングのトルク量で点検の要否を確認したりしてます。そういう点でもあれは有用なのかも?
 「ニコンもキヤノンも「きちんと調整するのはサービスセンター」のようだ」
 長々と書いて,これが結論かい?(苦笑
 「「通常の利用で±5以上にしないと合わないようなら、調整に出して欲しい」(古都さん)という。」
 数字の目安がわかったのは収穫か。

■関連リンク
・キヤノン ピント調整有料化(2012.1.29)
http://rainbow55.exblog.jp/17132502/
・ ベストピント調整の方法(2015年版)(2015.5.21)
http://rainbow55.exblog.jp/24009255/
 この記事↑は,キヤノン サービスセンターにおける調整作業のメモです。
 ピント調整機能を使って自前で作業をする際の手順をまとめたものではありません。
・シグマでのピント調整(2009.9.4)
http://rainbow55.exblog.jp/11870123/
by rainbow-5 | 2011-07-02 20:19 | AFピント関連


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