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EF24-105mm F4L IS USM 修理
EF24-105mm F4L IS USM 修理_f0158244_22283884.jpg EF24-105/4 ISが故障したので、修理に出しました。
 主力レンズとして使っているので、部品の寿命に達したものと思われます。



 事が起きたのは、今年(2015年)の東京オートサロン会場。
 シャッターボタンを押すと、いつもはしない異音に近いものがレンズ側でして、ファインダーはブラックアウトのまま。ファインダー表示にErr01。
 ボディの液晶画面も、Err01の表示↓(カメラとレンズの通信不良です。レンズの接点を清掃してください)
EF24-105mm F4L IS USM 修理_f0158244_22283884.jpg
 ありゃ、エラー01かよ。こんな肝心な場所で。

 撮影場所を離れて、再現性確認。
 同じように構えてみてシャッターボタンを押してみると現象再現。
 このレンズは、一昨年(2013年末)にレンズ側の電子接点を交換しているので、まだ1年強しか使っておらず、レンズ側の電子接点に問題が生じるのは考えにくいと感じました。
 となると、ボディ側?
 EOSシステムの場合、ボディ側の接点端子は凸状になっており、ボディ側で問題が起きにくい設計になっております。

 ここで会場に持ち込んでいたEF70-200/4 ISに交換して再現性を確認。結果は現象非再現。シグマ旧50/1.4に換えてみても現象非再現。
 再度、EF24-105/4 ISに変えてみると、これまた現象非再現。
 治った?これじゃ、ボディか?レンズか?切り分け出来ません。
 そんなことを思って、EF24-105/4 ISで、何度かシャッターを切っていると現象再現。さらにEF70-200/4 IS→シグマ旧50/1.4→EF24-105/4 ISと試していくと、現象の再現性は不確実ながら、起きるのは、EF24-105/4 ISだけということに。
 なお、ここまでのところでは、現象再現時の画像は記録されません。(シャッターユニット故障などでは真っ黒な画像が記録されることが多い)

 ここで思い立ったのは、エラーコードは01となっているが、EMD(Electro-magnetic Diaphragm,電磁駆動絞り)故障なのか?と。
 EF24-105/4 ISで、絞り開放で試みると非再現。F8とかにすると、確実に再現。F4.5などは、再現性が不確実。
 電子接点に問題がある場合は、シャッターボタン半押しでエラー表示が出てもいいはずなのに、ここまでのところで、そういうことはなし。
 F8で再現する際も、ミラーアップ作動の直後にレンズ側で、引っ掛かり音のようなものして、ブラックアウトしたままになります。撮影シーケンスの中で、EMDが正常機能していないような感じです。
 この時、ボディ側のシステムからみた場合、EMDが正常終了したという信号をキャッチするわけですが、それが返ってこないので、ボディ側はErr01を表示してしまうわけです。
 液晶画面には「接点を清掃」とか出ていますが、EMD故障なら接点の清掃なんて、意味がありません。

 このレンズのEMDユニットは部品交換していません。購入後の約9年間ずっと使ってきております。単に年月だけでなく、主力レンズとして使用頻度も高かったので、部品の寿命と考えます。(現在、手元に残っている撮影画像数:約12万枚。推定撮影枚数は、13万~16万枚。)
 EFというと、モーターが故障しやすいという印象を持つ人が多いようですが、当方の経験値では、モーター故障というのはまずないです。EMD交換は(他のレンズで)何度か、やっています。駆動部分という点では、単に回っているだけのAF用モーターより、EMDの方が負担は大きいと思われますので、こっちの方の寿命の方が先に来るのでしょう。

 今回も修理は(新宿や銀座でなくて)キヤノン幕張と直接。
 サービスの見方は、当方の見方に同じ。
 このレンズは、EMDは単品で部番設定されているので、交換部品は単独で行うことが出来ました。(レンズの種類によっては、後玉などとEMDが一体化されており、その場合は、部品代が割高になる)
 なお、費用はキヤノンWebサイトにある「絞り作動故障」の項にある金額のバンドの範囲内でした。

 ところで、このレンズは、片ボケの疑いがありました。
 故障が起きるオートサロンの前に自分でテストをやっており、AFマイクロ アジャストメント機能による自前調整をやっていました(アジャスト量 左:-5 中:+5 右:+10)。オートサロン終了後に、一回診てもらった方がいいか?と、思ったほど。
 修理受付時にその辺りの事も指摘しておきましたが、帰って来たら片ボケは、ほぼ解消。修理前との比較では、全体の解像感も上がっています。ただ、修理後の各部を比べると右の解像感が少し悪いです。
 当方のところで出来る確認作業は、簡易的なものであり、確認作業の手順等が不十分であったことも考えられます。また、

 片ボケとの兼ね合いもあって、ベストピント調整も(ボディとセットで)依頼しています。
 結果↓
EF24-105mm F4L IS USM 修理_f0158244_22292844.jpg
(1D MK3 EF24-105/4 IS 105mm ピクチャースタイル:ニュートラル 100%切り出し レベル調整等の画像処理なし JPEG化に当ってアンシャープマスク等は未処理)
 マトは、定規の「0」のところ。
 ピントの中心位置は、-2~-2.5の辺りでしょうか?少なくも 0付近ではありません。キヤノンのベストピント調整でよくある前ピン傾向。
 中心位置が、0付近でなくても被写界深度の範囲内に収まっていればいいのですが、これでは、それも厳しい状況。ちなみに広角側(24mm)は、-20ぐらい感じです。
 今回は、昨年末(2014年12月)に修理した別のレンズのベストピント調整も再修理として一緒に頼んでいます。再修理に際して、ベストピント調整については厳しく申し付けたのですが、それでも、この調子。
 こういう流れになるとキヤノン幕張は「基準値の範囲内に収まっています」というのが決まり文句。基準値の範囲内にかすりでもすれば検査は合格です。これは当方の推察でなく、キヤノン幕張に訊いたところ「そういうことになります」との返事でしたもん。
 こういうのは毎度毎度のことなので、今さら驚きませんが、当方のデータ取りをやって再修理を依頼するのは、エネルギーがかります。1本ならともかく、24-85/3.5-4.5など全部で5本もあると気が重いです。もう、いい加減疲れてきました。
 さりとて、ピントが合わない機材じゃ、撮り方に制約が多くて、現場であたふたしますし。
 さて、どうしたものか。


 あと、どうでもいいのですが、今回の修理票には(普通修理で)決まり文句となっている「※その他、各部点検・清掃いたしました」の文言がありませんでした。
 また、当方の要望事項である片ボケに関連する事項の記入もありませんでした。この件は、解決されているので、いいのですが、問題点の明確化という観点では感心しません。文書として残ってしまうと都合が悪いのか?と勘ぐってしまいます。


●参考リンク
・EFレンズテクノロジー EMD
http://cweb.canon.jp/ef/special/lens/technology/emd/index.html
・機種別費用詳細(EF24-105 4.0 L IS USM)
https://repair.canon.jp/sc/html/ScxbEEstimateLst.jsp?i_grp=0032&i_model=EF24105-40LIU&i_method=03
●関連リンク
・EF24-105/4修理全完了(2013.11.21)
http://rainbow55.exblog.jp/20930642/
・EF24-105/4修理(2013.10.12)
http://rainbow55.exblog.jp/20538158/
・TOKYO AUTO SALON 2015 with NAPAC(2015.1.12)
http://rainbow55.exblog.jp/23545107/
by rainbow-5 | 2015-04-04 22:20 | 機材・道具


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