久しぶりに成田に行ってきました。
もう、5年ぐらい行ってなかったかも? 今回もシグマ150-600Sのテストでした。 2016年3月11日に予告通りファームウェアがアップデートされて、1.04になりました。(キヤノン用Sレンズ) このアップデートで、AF速度が改善されるようですが、ここでいうAF速度というのが、AFの駆動速度なのか?AFの追従性能なのか?シグマに照会していないので当方にはわかりません。テスト等の兼ね合いもあるので今回は「新しいに越したことない」という消極的な理由でファームを更新し、更新後の状態で成田へ向かいました。 先日、自動車レース(のテスト)で更新前の1.03のAFピントのテストをしています。 今回のテストは、ファーム更新の影響でAFのピントに問題が出ていないか?昨シーズン(2015年シーズン)起きることがあったニジミのような画質低下の検証が目的でした。 前者は、問題は認められず(=ピントは良好)。 後者は、現象が再現することもあったが、今回は原因の特定に至らず。 今回のテストでやっかいなのは、かげろう。 この時期にかげろう?と思われるでしょうが、事象は起きます↓ f8 約300mm(35mm判 約480mm相当)ピクチャースタイル:スナップショットポートレート 11:30頃 このサイズ↑でみると問題なし。 部分拡大↓(100%等倍切り出し) 前景の部分拡大↓(100%等倍切り出し) 解像感は、やや悪くなっていますが、かげろうに限れば、ここだと影響はほとんどないようです。 (解像感が悪いのは、深度外のためと思われます。Google Mapで見ると撮影場所から誘導路まで約450m。前景の柵まで約200m。撮影距離450m 焦点距離 300mm f8 APS-Cの被写界深度は、約250~2500m(伝統的な計算式の場合)となる) かげろうは、今回のテストとは別問題なので評価の対象外となりますが、撮影時に見極めるのは出来ないので、撮るだけ撮って、後ではじくことになってしまいます。 f8 約600mm(35mm判 約960mm相当)ピクチャースタイル:スナップショットポートレート 14:30頃 部分拡大↓(100%等倍切り出し) 真横を通過する約10秒前の撮影です。 ほぼ真横に来た時↓ f8 約600mm(35mm判 約960mm相当)ピクチャースタイル:スナップショットポートレート 前側のドア部分拡大↓(100%等倍切り出し) Google Mapで見ると撮影場所から16Lの延長線上(中心)までは約330m。150ktなら毎秒77m。10秒だと770m進むことになるので、機体全体のカットの撮影距離は約840mになります。そんなに距離があっては、かげろうも写ってしまうなぁ、という感じです。これまでなんとなく500mぐらいで撮っていると思っていましたが、800mもあるとは知りませんでした。 真横に来た時は、クリアに写っています。要は、遠いとかげろうの影響を受けることがあるという、ごく当たり前のこと。今回のテストで、一番多かったのは、このパターン。こんなにかげろうが出てしまっては、にじみの判断は出来ません。 今回のテストで再現した画像↓ f8 約600mm(35mm判 約960mm相当)ピクチャースタイル:スナップショットポートレート 12:15頃 部分拡大↓(100%等倍切り出し) Mの外側、右上のアンテナににじみが出ています。 撮影場所から16Rの延長線上(中心)までは約240m。真横に来る5秒前です。5秒だと385m進むので、この時の撮影距離は約450m程度になります。これは、OSはONでSW2で撮っています。 この現象は、昨シーズンのヒコーキ撮影で発生することがありました。 画をみれば、ハロじゃね?となるわけですが、ヒコーキだけで起きて、自動車レースでは起きないのです。ハロなら、レースでも起きてよさそうなもの。そのため撮影状況の違いからOSの誤作動でないか?と思っていたのですが、今回のテストでは、OS OFFでも起きているので、OSは関係ないようです。 レースの撮影距離も、Google Mapで読み取ってみました↓(ツインリンクもてぎの場合) ・S字進入直前を正面から 約110m ・S字立ち上がりをアウト側から 約100m ・ヘアピン立ち上がりを離れたところから 約90m おおむね100メートル程度の撮影距離となり、ヒコーキは一番近づく真横でも250メートル程度ありますから、差がけっこうあります。 以前の記事で、この件を書いた時の作例は築城基地の07エンドですが、あの時の撮影距離をGoogle Mapで読み取ると200m程度と思われます。 これまでの状況で言うと、この現象は撮影距離100m程度では再現せずに、200m程度を超えた時に起きていることになります。ただ、200m超えでも、確実な再現性はありません。事象的には、望遠側で起きる確率が高くなっています。 望遠レンズは、これまで純正レンズしか使ったことがなく、純正レンズ(70-200・100-400・300・500mm)では、この現象は見たことがありません。 撮影距離 約660mの例↓(100%等倍切り出し) f8 約600mm(35mm判 約960mm相当)ピクチャースタイル:スナップショットポートレート 15:45頃 この例では、にじみも、かげろうも、認められません。撮影距離が長くなっても、起きない時は起きません。困ったものです。 今回はRAW+JPEGで撮って、RAW現像ソフト、カメラ生成JPEG共々確認しましたが、どちらも同じで、片方だけで出る・出ないというのはありませんでした。 ボディは7D Mk2で、レンズはシグマになりますので、DPPでは収差等の補正は出来ません。Lightroomには、シグマ用のレンズプロファイルがあるので、Lightroomも試みましたが、結果はどれも同じでした。 これまでの経験の傾向と今回のテストから再現する条件は、ある程度限定されているとみています。条件↓ 焦点距離はおおむね500mm強~600mm。直射日光が当たっている。主要被写体に対して斜め方向のアングル。手持ち撮影。撮影距離が200m以上。 条件が揃えば必ず起きるのではなく、起きた時の共通項を集めたら、こんな感じになったまで。 なお、これまでに薄曇りで起きたことがありません。ピーカンの時だけ起きます。手持ちですが、OSはON/OFFどちらでも起きます。作例は白っぽい機体ばかりですが、RFでも起きるので、色は関係ないです。 考えられる原因↓ ・OS誤作動 当初、誤作動だと思っていたが、今回のテストではOS OFFでも起きたので、OSは直接関係ない可能性が高くなった。 ・手ブレ 今回のテストは1/2000~1/4000で撮影。地上のものも試し撮りしているが、高速シャッターなのでブレは認められず。ヒコーキは動いているが、アプローチのファイナルだと相対的な速度感は、それほどでもないので、手ブレの可能性は低いと考える。 ・レンズ自体の性能(主に収差) レンズ中心部でも起きているので、収差の可能性はあまりないように思われる。それに収差だというなら再現性がないのも変なハナシ。 仮に収差だというなら、球面収差でいいのか?斜めで多発しているので、光の入り方によって起きたり/起きなかったりする可能性もある。それなら収差の可能性大。 ・甘ピン 画面全体で起きるので、ピンが少々甘いという程度ではないと思われる(多少の前ピンや後ピンなら機体のどこかにピンが来てもいい筈だが、それがない)。背景とか、前景とか、そういうのがあればピントの判定も出来るが、空しかないから判別不可。 ピンボケの割には、芯がはっきりとしており、にじむのはフチ側だけで不自然。 それと、比べれば撮影距離が短いレースでは、起きていないのだから、ピントというのは考えにくいのだが? どれも可能性としては低くて、決め手に欠けます。 そうなると考えられる要素を排除して取り除くことぐらいしか思い付きません。今回のテストではAFフレームは1点選択を使っています。ズーム600mmだと、AFが迷った可能性は捨てきれないので、次回はゾーンや領域拡大を試みて、AFの問題を排除してみようと思います。 また、今回はf8でしか撮っていませんので、収差の変化をみるために次回はf16とかでも試してみたいと思います。 ●参考リンク ・SIGMA 150-600mmに新ファームウェア http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20160311_747829.html ●関連リンク ・SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sportsを使ってみて(2015.11.28) http://rainbow55.exblog.jp/24682541/ ・スーパー耐久シリーズ2016 公式テスト(2016.3.6) http://rainbow55.exblog.jp/25021065/
by rainbow-5
| 2016-03-26 17:42
| 撮影実験
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