先週末は,新宿ニコンの航空写真セミナーに行ってきました。
これ↓です(案内のみ)。 http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2008/03/27/8218.html ヒコーキ屋ならば(特に戦闘機屋),徳永さんの名前は知らない人はいない,という程,有名な方です。鉄だったら,広田さんのような感じでしょうか? ニコンWebサイトにある徳永さんのプロフィール↓ http://www.nikon.co.jp/main/jpn/feelnikon/comfort/webgallery/200510tokunaga_katsuhiko/index.htm#2 ここ↑には書いてありませんが,徳永さんは航空マニアあがり(笑)。出発点は,我々と同じアマチュアということです。 ニコンWebサイトにある,徳永さんの作品↓ http://www.nikon.co.jp/main/jpn/feelnikon/comfort/webgallery/200510tokunaga_katsuhiko/04.htm 見ての通り,徳永さんの作風は,航空機に同乗しての空対空撮影です。 超広角レンズを多用した最初のカメラマンだと思います。氏の初期の写真集である「ブルー・エンジェルス」(当時の使用機はA-4)も同乗撮影で,超広角レンズを使っていたと記憶しています。こんな感じ↓ http://www.blueangels.navy.mil/images/photos/2007-ba_21.jpg (3000ピクセル画像なので,表示にやや時間を要するかも) 米海軍のWebサイトで,徳永さんのクレジットはありませんが,(実際は他の人の撮影かもしれませんが)作風的には氏のものです。 この写真はExifが付いていて,レンズは12mm(1.5倍して18mm相当)となっています。 こんな感じの作風・対象ジャンルの方ですから「航空写真セミナー」というタイトルでも,地面の上から撮る写真のハナシはあまりないだろう,と行く前から思っていましたし,実際,そうでした。 当方は,アマが入れない撮影フィールドでの話をご本人さんから直接聞くことが出来たので,満足度は高かったです。 反対に,プロ作家からアマへの撮影技法伝授のようなものを期待していた方には,期待外れになってしまったことでしょう。 (徳永さんも地面の上で写真は撮るでしょうが,それじゃ,誰でも同じですし,徳永さんは,職業写真家であり,レッスンプロじゃないので,そういうのを期待してもなぁ。笑) 事前募集だったせいか,当方の回は,ほぼ定員いっぱい。男性客が多かったですが,女性陣もわずかにおりました。 時間は90分で,途中休憩はなし。進行は次のとおり。 ・昨年の実績紹介 ・D3機能紹介 ・(一般的な)デジカメ インプレッション ・質疑応答(30分弱) ジャンルが空対空撮影でアマとは全然違うので,blogで紹介できそうな一般的な話は少なかったのですが,ちょっと上げておきます。(っていうか,自分の記録だけど。笑) 『デジタルはカメラとソフト(パソコン)のトータル・ソリューション』 パソコンが必要であることに個々のご意見はあるにしても,現状では,パソコンは欠かすことが出来ないと思います。 パソコンを使わないで,パソコンプリンタやお店プリントでプリントをすることも出来るわけですが,現状では,それでは,本来性能や画質を十分に発揮することが出来ないからです。 当方の回では明言はありませんでしたが,話のニュアンスでは「デジはパソコン処理のウエイトが高い」そんな印象を受けました。 『RAWはネガ的,(カメラの)JPEGはインスタント写真』 よくカメラ雑誌なんかに,JPEGはリバーサルフィルム,ってあるけど,ポラかよ(笑 このフレーズは,気に入ってしまったので,使わせて頂くことにする。 『フィルムっていうのは,粒子が不規則に並んでいたので,不たしかさ,ファジーな部分があった。デジタルはピクセルが規則正しく並んでいるの,すべてがキッチリしている。そのためピントも,諧調などもハッキリしてしまう。』 ヒコーキのような金属の物体の場合,このクッキリ感は,質感として出てくるので,デジカメが向いている分野なのだと思います。 万事に当てはまるとは思いませんが,氏のフィールドは,ヒコーキなのですから,この話は当然のことでしょう。 『高感度域が実用になるので,これは新しい撮影領域を拓くことが出来るようなると思う』 D3の機能紹介での話。 これは,誰でも,そう思うことでしょう。ただニコン デジ機の場合,これまでは,あまりよろしくなかったですからね。D3と同等でないにせよ,キヤノン機だと随分前から高感度は実用域になっていますので,ようやくという気もしますけど。 『RAW現像ソフトはカメラメーカー純正品がよい。自分のところのを一番良く知っているから』 アマにもRAW撮影を薦めていました。 理由は,カメラの本来性能を発揮できること。将来RAW現像ソフトが進歩すれば,その時点で画質の改善が見込めること。 ニコンでもキヤノンでもRAW現像ソフトは,(汎用現像ソフトより)メーカー純正品が一番良い。特に諧調性を話をあげていました。 自分が,これまで経験的に感じていたことをプロ作家に話してもらえると,ちょっと嬉しかったりしますな(笑 『(D3の)DライティングはカメラJPEGでは「強」じゃないと効果が薄い。カメラよりソフト(Capture NX)の方が効果が強い。』 D3をテストした際の話。 『(地面の上で撮る時も)ピントはAF』 というか,今のカメラは,ファインダーがMFに向いていない,との見方。 なお,VR(手ブレ補正機能)は,空対空では使わない。必要な時は(カメラごと)ジャイロスコープを使う。 『モニターはキャリブする。照明も5000Kにする』 (質疑応答で)アマへのアドバイスとしてあった話。 (レッスンプロでない)こんなところの質疑応答でも,照明に話が及ぶ(苦笑 フィルムの頃って,照明まで話がいったかなぁ...ライトボックスはメーカー品を選べば,一応5000Kだったわけですし,紙プリントも自家処理するのは一般的でなく,ラボ任せでしたから,照明にこだわるファクターは少なかったのでしょう。 デジになって,自宅インクジェットプリンタを使うならば,観察環境の照明は無視できないし,プリントはラボ出しの場合でも,デジ画像の加工は自宅パソコンで行うわけですから,その紙プリントの元環境として照明は重要ということでしょうか?そういう細々とした説明はありませんでしたけどね。 『Gは慣れ。経験をつめば,コツがわかるので,たいしたことはない』 写真の話じゃないですけど(笑 空対空同乗撮影ですから,高Gがあります。「どうなった時に,体のどこに力を入れればいいのか,わかっているので,強いGでも大丈夫」とのこと。 ちなみに,この手合いの同乗撮影というのは,誰でも乗せてもらえるわけではありません。軍用機の場合,パイロット同様の航空身体検査(+座学)というのがあって,それを通って初めて同乗の最低ラインの資格を得ることが出来るようになります。身体的なものですから,一度通れば永久ではなくて,数年で更新が必要です。これを米軍,仏軍などでみんな受ける必要があります。 『D3のテストは,高G,電磁波,ヘリの振動の順で行い,すべて問題なし』 ニコンのプロモーションとして行っているのですから,こういう宣伝があるのは当然でしょう。 ニコ爺のために,テスト概要を書いておきますね(笑 高G。戦闘機の同乗撮影で問題が生じないかをテスト。ここで問題があれば,次のステップには進まない。 電磁波。空母飛行甲板上で問題が生じないかをテスト。ペルシャ湾(だったと思う)で作戦展開中の空母。実戦でレーダーなどは最大出力なっているので電磁波は強烈な状況にある。そこでも,問題はなし。 ヘリの振動。固定翼より回転翼の方が振動が強いので,ヘリで問題がないかをテスト。これもOK。 特別な改造をすることなく市販品状態ですべてOKということです。 ニコン自身も一定の動作環境試験は行っているのでしょうが,戦闘機や空母艦上での実環境試験はニコンといえども出来ないでしょうから徳永さんに頼むしかないのでしょう。 しゃべりっぷりの感じは,比較的おとなしい印象でした。しゃべりのプロではありませんが,そんなに悪い感じはしませんでした。 同じジャンルの柴田三雄氏は,しゃべりに慣れているせいか,時にニコンを思いっ切り持ち上げるし,時にアマに対してお説教調になるし,なかなか上手いですけどね。ただ,あそこまでいってしまうと,ワザとらしさの一種も感じてしまうものです。 徳永さんは,割と淡々とした感じで,エピソードの紹介も,聞き手が航空マニアであることを意識した感じなっていたと思います。この手合いのセミナーは,聞き手の水準を,どの辺りに置くのか?講師の方(ならびに主催者)の思案どころになると思われますが,当方には,頃合いがちょうど良かったです。 貼った写真はセミナーで貰ったカタログが入っていたビニール袋。 このビニール袋,手提げの形なのですが,2面に切溝があって,そこで切り離すと手提げ→クリアファイルに変身します。アイデア商品の一種ですな。こんなの初めて見ました。 ニコンのクリアファイルなので,ニコ爺に差し上げようかと思ったのですが,デジ機のじゃ,いらないか(笑
by rainbow-5
| 2008-04-22 22:32
| 日記
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