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モノクロプリントの方法
モノクロプリントの方法_f0158244_23451591.jpg 5.31にあったPX-5600の発表会の当日モノクロプリントをするので,画像データを持参するように依頼があって,前日に急遽,予習をやったわけです。(その時の結果は,こちらに

 予習は,当方のPX-5500を使ったわけですが,同じ事をPX-5600でも,やってみました。



 画像データをどうやってモノクロ化すればいいのか?画像データとプリントは関連を持っているので,画像の方の検討もするのが本筋だと思いますが,その組合せをマトリックスにすると多くなるので,今回の話は,プリントだけにしています。

 5500での予習は,画像データのモノクロ化は,RAWデータをキヤノンDPPで行いました。ピクチャースタイル以外にパラメータを多少,当方の好みで調整しています。ヒストグラム上ではRGB値でシャドー側1,ハイライト側253まで。ポインティングすれば,シャドー側3,ハイライト側251程度になっています。画像はDPPでTIFF出力し(8bit,sRGB),Photoshopで印刷しています。用紙はエプソン 写真用紙<光沢>。
 5600での追試も,5500の時と,ほぼ同じです。画像データは,5500の時のを流用しました。

 印刷のパターンは,5500での予習と同じ↓
(1)データ:カラー   印刷:ドライバのモノクロモード
(2)データ:モノクロ  印刷:ドライバのモノクロモード
(3)データ:モノクロ  印刷:カラー マニュアル色補正(ドライバ補正,パラメータはデフォルト)
(4)データ:モノクロ  印刷:カラー ICCプロファイル(エプソン版)使用,相対的

 (1)は,手っ取り早い方法。しかし,カラー→モノクロへの変換作業は,ドライバ制作者(=エプソン)の考える変換ロジックになりますで,それが自分の考えるモノクロの感触になるとは限りません。ズブシロならともかく,プロは元より,写真愛好家でも一定の水準を求める人の期待には応えられないでしょう。
 この方法は,そういうものなので,エプソンがダメというわけじゃありません。

 (2)は,なんとな~くの感触で,一番好結果になりそうな感じ。データは,自分の目でグレースケールにしたものをモニターで見ているわけだし,印刷もプリンタの性能に合わせてエプソンのドライバがグレースケールで打ち出してくれるから。
 ドライバのモノクロモードが,データがカラーであること前提としていた場合,データがモノクロになら,逆に一番悪くなるかも。
 この組合せだとモニターと合うとは限りません。ドライバ補正が入るのだから,これは仕方ありません。また,カラー同様にエプソンの考えたロジックで処理されるので,自分の好みとマッチするとも限りません。

 (3)は,組合せ上あり得るが,良い結果にならないそうな気配(苦笑
 わざわざモノクロモードを持っているのですから,この方法はカラー向け。この方法の場合,ドライバはモノクロデータが飛んでくると思っていないハズ。

 (4)は,プリンタ プロファイルには,エプソン版・自分のカスタム版の2通りがあり,そのプロファイルの出来が,印刷結果に影響するのは,容易に想像できます。
 モニターと合う/合わないを追求するなら,この方法しかありませんが,シャドー側でプリンタ プロファイルが,どこまで追従できるのか?

 5500での予習では,上記でいう(4)が好結果になりました。但し,5500では,カスタムプロファイルを使っています。
モノクロプリントの方法_f0158244_23451591.jpg
(いつも通りのただの証拠写真。厳密は比較用でない。左から(1)~(4))
 (1)・(2)は,予習の時と同じ傾向。
 (1)は暗い印象。(2)は明るい印象。どちらも,いまひとつ。

 (3)・(4)は,L判では,差が出ないのでA4で再プリ。
 結果は,僅差で(3)のマニュアル補正の方がいいです。
 ニュートラル度が高い。シャドー側の諧調性としまりがよい。
 ただ,これも2枚並べればの話なので1ペラで見れば,問題ないレベル。また(4)はプロファイルをカスタムにすれば変わってしまうかも。

 プロファイル印刷はICC標準(それもカラーの)に準じているのですから,プリンタの性能限界でなく,ICC標準の中での話しになります。この場合,プリンタドライバ側は無補正ですから,元画像のシャドー側がつぶれて気味ならば,そのままつぶれてプリントされてしまいます。しっかりした諧調を出そうとしたら,元画像もしっかりしていないとダメということになります。
 これらは,カラーでも同じでだと思いますが,モノクロはグレーしかないので顕著になってしまうということでしょう。

 どっちが,いいの?
 と,問われれば,ちゃんと画像データを作れる技量,機材・道具(モニター,キャリブレーター,観察環境等)があるなら(4)のプロファイル印刷。そうでなければ(3)のマニュアル色補正ですかね。

 プロファイル印刷は,ICC標準ですから,プリンタの性能をすべて出しているわけではありません。ただ,カラーなら,それもわかるが,モノクロだと,どうなのよ?
 そう思っていましたが,モノクロも,カラーも関係ないようです。
 そういうわけで,モノクロプリントの試用は(3)を中心に行い,必要に応じて(4)も試すのが,いいのか?

 ここまでは,光沢紙での話です。
 これが,エプソン フォトマット紙/顔料専用になると,やや違ってしまいました。
 フォトマット紙/顔料専用は,カタログに「モノクロプリントの表現に最適です」とありますので,モノクロ向きの紙ということでしょう。

 光沢紙と同じことをフォトマット紙でやってみたら(2)・(3)・(4)が,だいたい同じ。
 違いは(2)の方がニュートラル度が高く見えます。(3)(4)は,わずかに寒色系になります。(3)の方が,その傾向は強い。冷黒調といえば,そういう雰囲気。
 シャドー側のつぶれ具合も,(2)・(3)・(4)の順で,悪くなっていきます。これも,並べてみないとわからないレベルですので,1ペラだったら,気にする程のことではないと思いますけどね。
 マット紙でモノクロチャートをプリントした際は(2)でシャドー側の分離が良かったのですが,それと同じ感触です。

 マット紙の場合は(2)のモノクロモードが,良さそうな印象を持ちました。
 また,マット紙も(4)のプロファイルをカスタムにすれば良くなるかもしれません。

 光沢紙とマット紙では,ハイライト側/シャドー側の特性が異なるので,念のため,マット紙でも試してみたのですが,こういう結果になるとは(驚
 これって,個体差のレベル?
 カラーでも,実は,同じことが起きているのか?いや,これはモノクロモードなので,それはない。
 自前5500では,どうなるの?いや,自分は,モノクロはやらないので,追試はやらないことにしよう(笑

モデル 徳武みのり(nona-manis撮影会)


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by rainbow-5 | 2008-07-01 23:52 | PX-5600試用モニター


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