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モノクロペーパー 番外編
モノクロペーパー 番外編_f0158244_2049262.jpg この記事は,モノクロペーパー トライアルの番外編として,下書きしましたが,あまりに長いので,別記事とします。



 エプソン フォトマット紙/顔料専用は,エプソン版プロファイルに,マットブラック用とフォトブラック用があります。これは,PX-5500も,そうなっています。
 用紙別だと,PX-5600の場合,マット系は,すべて揃っています。(PX-5500はフォトマット紙とスーパーファインのみ)
 これは,紙はマット系であるが,インクはフォトブラック装着。そのケースを想定しているのだと思います。本来性能を発揮させたければ,マットブラックを使うのは言うまでもありません。
 そうは言っても,この機械は,インクチェンジシステムで,インク交換の際にクリーニングが生じ,全色のインクを使ってしまうという欠点を持っているので,フォトブラックだけで済ますことが出来れば,それに越したことはありません。
 で,実験(笑

 組合せは,次の通り。
(1)ペーパー:フォトマット紙/顔料専用 インク:マットブラック ICCプロファイル:エプソン版マットブラック用
(2)ペーパー:フォトマット紙/顔料専用 インク:マットブラック ICCプロファイル:エプソン版フォトブラック用

(3)ペーパー:フォトマット紙/顔料専用 インク:フォトブラック ICCプロファイル:エプソン版マットブラック用
(4)ペーパー:フォトマット紙/顔料専用 インク:フォトブラック ICCプロファイル:エプソン版フォトブラック用

 フォトマット紙はモノクロ向きということなので,まずは,モノクロでトライ。
 (1)と(2)では,ほとんど同じ。本来の組合せである(1)の方が,少しコントラストが高い感じ。
 (3)・(4)は,どちらも,シャドー側が赤黒なってしまい,プリントとして不適切。ブラックインクの特性が異なるのですから,シャドー側で,こうなってしまっても,仕方ないでしょう。イレギュラーな組合せですからね。
 プリント設定は,ICCプロファイル印刷なので,ドライバー側は無補正です。ただドライバー側の用紙種類は,一応「EPSON フォトマット紙/顔料」にしています。(3)・(4)で,用紙種類を「EPSON 写真用紙<絹目調>」にしてプリントしてみたところ,一応,見られるレベルになりました。ただ(1)・(2)に比べ,少し暗く,シャドー側はつぶれます。調子は浅くなります。改善はされましたが,良好なプリントとは言い難いです。
 それにしても,ICCプロファイル印刷で,ドライバー側を無補正にしても,用紙種類を変化させると,プリント結果も変わるんだぁ?
 釈然としないところもありますが,本来の使い方ではないので,追求はしないということで(笑

 さて,逆の組合せは,ないのか?
 紙は光沢系だが,インクはマットブラック。
 これに対応するエプソン版ICCプロファイルはありません。
 また当方の推測になりますが,この組合せの場合,マットブラックインクが光沢紙に定着しないで,はがれてしまうのではないでしょうか?
 顔料インクというのは,そういうものなのですが,マットブラックは,それがハッキリしています。マット系用紙なので実用域ですが,光沢紙だと,ちょっとソリが起きただけでも,はがれたり,ヒビが入ってしまうような気がします。
 もし,この組合せでやってみたければ,カスタムプロファイルを作れば出来ないことはないでしょう。

 ところで,こんな「当って砕けろ」の総当り戦法をしなくても,プロファイル自体を見てみれば,だいたいの見当は付くでしょうに。
 プリントしてから気が付きました(笑
モノクロペーパー 番外編_f0158244_2053610.jpg
 両者を比較してみると,表側(左図)のプロットでは差が認められず。裏返してみたら(右図),赤の領域で若干の違いがあることが認められました。しかし,ほとんど同じ。インクが違っても,こんなもんか。これじゃ,そうそう差は出ないわ。

 そういうことなので,モノクロはプリントをしてみましたが,カラーの方は,動機となった期待しているモノの効果が望み薄なので,同じ条件設定での実験しませんでした。

 ではありますが,ここで,Webブラウザでの印刷へ応用できないか?そんなことを思ってしまい,やってみました。
 試したは,次のとおり。
(5)オートファイン
 ドライバの用紙種類でエプソン スーパーファイン紙を選択し,オートファインで印刷
(6)ICM印刷
 ドライバの用紙種類でエプソン スーパーファイン紙を選択
 ICM(相対的,エプソン版ICCプロファイル フォトブラック用)
(7)ICM印刷(用紙を変更)
 ドライバの用紙種類でエプソン 写真用紙<絹目調>を選択
 ICM(相対的,エプソン版ICCプロファイル フォトブラック用)

 共通条件
 プリンタにセットした紙:  エプソン スーパーファイン紙
 プリンタにセットしたインク:フォトブラック
 Webブラウザ: Firefox 3.0 for Win(カラマネ設定済)
 ※スーパーファイン紙→マット系ペーパー

モノクロペーパー 番外編_f0158244_2049262.jpg
(左から(5)・(6)・(7))
 (5)オートファインは,全体の調子は,明るさをあげて雰囲気を作ろうとしています。色味はかなり画面とは違っています。シャドー側は,上記の(3)・(4)の傾向が出ており,黒が黒としてプリントされません。このペーパーの場合,本来,マットブラックを使うので,こうなってしまうも無理はありません。
 (6)のICMは,一応,設定値は揃っていることになります。ただ,これも,紙に対する本来インクでないので,上記の(3)・(4)とまったく同じ状態になってしまいました。
 (5)・(6)は,比較用なので,このような結果になっても,これは,これでいいです。
 (7)のICMが,当方がやってみたかったもの。
 これも,フォトブラック装着で印刷していますが,黒がちゃんとした黒になっています。色味は画面の感じに似ていますが,なんせ紙が,写真画質向きでないので,マッチングと言えるレベルの物ではありません。雰囲気は,濃度が高いです。よって,シャドー側の黒を除けば,オートファインの方が,一見した見栄えはいいです。
 この実験は,ICMで相対的を使っていますので,もし使うなら知覚的にすれば,もうちょっとよくなるかも。

 どうして黒を探ったかというと,テキストベースの印刷の場合,黒がまともに出るに越したことがないからです。
 ブラックがチェンジシステムになっているので,Webページのプリントが必要になった場合は,それだけの理由でインクの交換をすることがありました。この方法が使えるなら,Webページの印刷でも,フォトブラックのままでよいということになります。

 まぁ,たったそれだけのことなんですけどね。写真画質プリントから、かなりそれて来ました。
 今回は試していませんが,PX-5500でも似たようなことになると見ています。これで,ますますマットブラックの出番は少なくなるということに(笑


モデル 高橋純子(東京オートサロン2008)
by rainbow-5 | 2008-07-03 21:15 | PX-5600試用モニター


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