PX-5600を貸してもらったら,やってみたかったことは,だいたいやりました。終わりました。
まだ,試用期間が残っていますので,当方の興味からの実験で~す(笑 PX-5600のインクは,ビビットマゼンダ,ビビットライトマゼンダに変更なりました。 この効果がブルー,バイオレットの色再現に表れている,とのこと。 マゼンダは別として,青は得意の世界です。 ヒコーキは,青空でしか撮らないから(笑 快晴の青空と言いましても,いろいろありましてね。フィルムのイメージで言うと,こんな感じ↓でしょうか? ・昔のコダクローム調 (KRの渋~いヤツ) ・昔のエクタクローム調(EPR。適度に爽やか) ・プロビア調 (RDPIIの感じ。RDPIIIではない) ・ベルビア調 (ご存知のワザとらしい塗り絵のヤツ) ・ポートラ調 (あっさり) 当方がヒコーキをデジ処理する場合は,プロビア調か,場合によってはベルビア調。 モニターとプリントが合うことは滅多にないッス。それでも,エクタクローム調ぐらいなら,みんなOKにしてきました。それぐらい振れます。絵柄も,ただの青空ですから,それほどこだわる必要もありませんしね。 プリントしてみないと,どんな青空になるか,さっぱりわからない(=モニターとは必ず違う)。極端に悪くなければ,出たものを受け入れる。そんな感じです。 本気で自分の狙った色をプリンタで出そうとしたら,相当にやっかいな色域になるのは,以前から承知してました。 先にRGBXPLORER8.tifをPX-5500で印刷してみて,初めて知りましたが,青系の帯域がけっこう狭い。青の表現幅が狭いので,どっかに偏ってしまうということなのでしょう。 対するPX-5600は,RGBXPLORER8で見ると,青~マゼンダの分布が,まんべんなく行き渡って感じです。青の表現領域がたくさんあることになるのだと思いました。 これは当方の見立てなので,間違っているかもしれません。 チャートでの出具合はRGBXPLORER8の比較でわかりましたが,実例も試してみたいところです。 ところが,これが難物(笑 RGBXPLORER8からPX-5500とPX-5600で差が出るのは,青の場合,RGB値のBが突出した色域です。この色域がハッキリする画像データが手持ちにない。ヒコーキの快晴の青空では,まず濃度が足りませんし,RGB値のBの割合も,それほど上がっていないのです。 画像処理で作ってもいいのですが,たぶん不自然な青空になってしまうので,実用性という点で却下。それに青空じゃ,ただのベタでチャートの,でっかいのと同じじゃん(苦笑 次はマゼンダなのですが,これもRGBXPLORER8感触から,一番効果を確認しやすいのは,青紫の色域。その次が濃度の高いピンクの色域と判断しました。けど,これまた,手持ちの画像に,そんな色がない(泣 そりゃ,そうだ。青紫のお洋服なんて,着ている人,そうそういないわ(笑 また,憶測になりますが,この色域は,世の中にさほどないので,PX-5500の時は,優先度を下げたのかもしれません。 結局,青代表は,本命は徳武さん。対抗にブルーインパルス(なんちゅー,組合せ。笑)。 濃度の高いピンクは,撮影会の浴衣モデルを選びました。青紫は断念。 ●青のお洋服 プリント条件 ・PX-5600 エプソン版ICCプロファイルによる印刷,相対的 ・PX-5600 エプソン版ICCプロファイルによる印刷,知覚的 ・PX-5600 マニュアル色補正 ガンマ2.2 Y:-5 ・PX-5500 カスタムICCプロファイルによる印刷,相対的 ・PX-5500 カスタムICCプロファイルによる印刷,知覚的 ・PX-5500 マニュアル色補正 ガンマ2.2 Y:-10 ・その他 RAW現像処理 キヤノンDPP,sRGB 8ビット,TIFFファイルにてPhotoshopへ渡し印刷(2L,エプソン写真用紙<絹目調>,1440dpi,双方向OFF) 第一印象は,どの青も,違う。こんなに,いろんな青があるのかぁ(笑 ・PX-5600の3枚比較 画面とマッチしているものはナシ。 お洋服は,エプソンプロファイル(相対的)が近いといえば近い。 背景のグラデーションも,一番近いのはエプソンプロファイル(相対的)。 表情は,マニュアル色補正が,一番画面に近い。エプソンプロファイル(相対的)は少し明るくなった。 ただ,マニュアル色補正は,背景の一部で諧調飛びが,わかってしまう。 ・PX-5500の3枚比較 この3枚に限れば,カスタムプロファイル(相対的)は,まぁまぁ画面に近似している。 マニュアル色補正の背景のグラデーションのつながりは,よい。 ・PX-5600とPX-5500の比較 画面に一番近いもの同士を比較すると,おおむね同じ。(PX-5600が少し明るいことを脳内変換してのハナシ。笑) やっぱり,このお洋服の青では,差が出ませんでした。もっと,Bの濃度が高くて,Rがたくさんあって,Gが低いものじゃないと効果の確認は難しいです。このお洋服ではRが低く,Gが上がっているからです。純粋にBだけが上がっている,こんな感じ↓ならば,差が出たかもしれません。(背景のグラデーションが変になっているのは,ご愛嬌。笑) こんな風の純粋にBが突出している,もしくはBばかりで,Rがちょっと,Gがほとんどない。こんな色域そうそうないでしょう。あんまり当方には縁がない色のような気がします。 と,これで結論にしようと思ったのですが,ここで,AdobeRGBサマにご登場願うことにしました。 DPPでsRGB→AdobeRGBへ変えてみましたが,もう,その時点で画面の色合いが,それなりに変化しました。 当方のモニターはsRGB機なので,AdobeRGBに色空間を変更しても,対応しているわけではありません。それじゃ,AdobeRGBの画像の表示はされないのか?そうではなくて,AdobeRGB→sRGBへの変換処理が行われ近い色へ置き換えられて表示されます。もちろん,青がマゼンダになってしまう様な変化ではありません。 これは,全面,青の絵柄だから目立ったのでしょうかね? これを,PX-5600だけですが,上記の3通りでプリント。 結果は,これもエプソンプロファイル(相対的)が,画面に近似しました。それも,かなり近い。sRGBは,画面とマッチしていると言えそうなのはありませんでしたから,AdobeRGBの効果はハッキリしました。 sRGBプリントとAdobeRGBプリントを比較すると,sRGBプリントは,少しマゼンダっぽくなっていますが,AdobeRGBには,それがありません。青の抜けがいいというか,あざやかと言うか。 お洋服の照明が効いている箇所で,HSB値を追ってみると,sRGBの方は,ほぼ飽和状態。AdobeRGBの方は,sRGB程ひどくはありません。 まぁ~,これはスタジオ撮りだったから,AdobeRGBの効果があったのだと思います。屋外ロケだと,いろんな色があって,ここまでのハッキリした効果を得られるのは,稀だと思いますけどね。逆にいうとスタジオ撮りだったら,効果を得られるかも? ●青空(ブルーインパルス) 以前,PX-G920のプリントで試した画像を出してきました。 今,見ると,画像そのものは,ややおとなしい感じ。されど,G920(G5000のA4機)の紙プリントは,ハキハキしています。G920は人物はダメだけど,シアンとは別にブルーインクがあるせいか,こういうだと,画像データよりプリントは,派手気味になって,なかなかの感じになってくれます。 この画像をPX-5600でプリントしてみましたが,ドライバ補正を使ったので,空は,モニターで見えている画像よりマゼンダ系が下がって,クリア感があります。そう見れば,効いているのか? ただ,PX-5500とPX-5600の比較を目的とした場合,なんか,今回の実験に不向き... 画像処理で青紫になるようにやってみました↓。 やっぱり(爆 ちょっと,やり過ぎ。ベルビア調。あんまり,意味がないので,プリントはしないで,画像処理だけで終了。 ●ピンクの浴衣 ※残念ながら,当該撮影会における参加規定の関係により画像をお見せ出来ません(インターネット上における画像の掲載不可)。 プリント条件など→上記「青のお洋服」に同じ 第一印象は,どれも,似たような感じ(苦笑 良し悪しは別として,差がなのでは効果確認が出来ない。やっぱり濃いピンクでは,ダメなのか。帯の色合いは,俺に言わせればビビットマゼンダなんだけどなぁ(苦笑 強引に言うなら,エプソンプロファイル(相対的)が画面に近似している。けど,誤差の範囲のレベル。 PX-5600になって,ブルーとバイオレットが改善されたとのことでしたが,当方の守備範囲では,そのごりやくを得る機会は,あまりない。今回の結論は,こうなりました。 モデル 徳武みのり(nona-manis撮影会) ■2008.7.13 追記 エプソン プロセレクション ブログからお越しの方へ PX-5600モニターに関する記事はPX-5600モニターというカテゴリーにまとめています。この下↓にある|PX-5600試用モニター|のリンクで,他の記事もご覧いただけます。
by rainbow-5
| 2008-07-06 19:37
| PX-5600試用モニター
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