以前,自動補正の効き具合を試したことがありますが(以前のレポート),オートフォトファインが変更になっていますので,新しいオートフォトファイン+PX-5600で試してみました。
このクラスのプリンタで,お手軽自動補正を試すことに意味があるのか?ないのか? 当方がパソコンプリンタを使う目的は,良好なプリントの作成なので,お手軽プリントでも,思ったような仕上がりになれば,それのいいのです。結果オーライになれば手段は問いません。 好き好んでRAW現像とか,Photoshop使っているわけじゃないッス。現状では,そういうのじゃないとマトモに仕上がらないので使っているだけ。手っ取り早いのに越したことはありません。そういうわけで,やってみないとわかりませんから試してみました。 PX-5600のオートフォトファインは「オートフォトファイン!EX」。 PX-5500のは「オートフォトファイン!6」。PX-G920も「オートフォトファイン!6」。 オートフォトファイン!EXは,顔料機でいうとPX-G5100/G930からだったと思います。なので,PX-G5300/PX-5600もオートフォトファイン!EXになっています。 またオートフォトファイン!EXは,顔料機専用というわけではなくて,染料インクの複合機などにも搭載されています。複合機での説明↓ http://www.epson.jp/products/colorio/kinou/printer_multi_s/index.htm#01 ふむふむ。 > 逆光写真を自動でもっとキレイに。 テスト画像は,バッチリありまっせ。 > 室内で起こりがちな色かぶりも、しっかり補正。 例示しているのは,タングステンなんですかね。これもバッチリ。 > 青みがかかった色かぶり 蛍光灯かぶりは探すのが面倒。日陰の青かぶりがあるよ。 オートフォトファイン!EX自体は,プリンタドライバ側の機能になるので,どのソフトでも使うことが出来ます。 今回の目的は,お手軽プリントとして自動補正の効き具合を確認することなので,EPSON Easy Photo Print+オートフォトファイン!EXの組合せで検証することにしました。 なんか,キヤノンプリンタにも,同じような名前のソフトがあったりしますが,あっちは「Easy-PhotoPrint EX」で,綴りが違う。まんじゅう屋の元祖とか,本家とか,そんなハナシになると,時期だけならばEasy-PhotoPrintの方が先だったみたいですけどね。確実な裏をとっていないので,間違っていたら,ゴメンナサイ。 あっちには,Easy-PhotoPrint Proというものもあって,DPP,Photoshopプラグインだったりします。プラグインなら,あっちとは別のそっちにはHP Photosmart Pro Print Plug-In for Adobe Photoshopなんていうのもあったりします。プラグインなら,そっちが先発みたいですな。 展示会に行っていると,あっちやそっちの方が,こっちにないものを一生懸命売り込んでくれたりしますです。 話が脱線したので,戻します。 Easy Photo Print(以下,EPP)は,印刷専用ソフトなので,補正処理を行ったデータをファイル出力することが出来ません。仕方ないので,画面のキャプチャーで例示します。(元画像の縦横変換の仕方が,わからなかったので,キャプチャーを回転させています) (1)補正なし (2)自動補正(オートフォトファイン!EX) 補正パラメータは,すべてデフォルト。 (3)自動補正(オートフォトファイン!EX) 補正パラメータは,次のとおり。 ・補正モード:人物(補正量調整:中(デフォルトのまま)) ・イメージピュアライザ:美肌モードON ・ナチュラルフェイス:未設定(=デフォルト) 画面で見る感触では,自動補正されているのはハッキリわかります。 美肌モードをONにすると,肌色は整えられます。ただ,立体感は悪くなります。そうは言っても,塗り絵までは行きませんから,ギリギリ許容の範囲内でしょうか。 上記の3通りをPX-5600で印刷しました。(エプソン写真用紙<光沢>,L判) 結果↓。 (1)比較用プリント (2)(1)より,明確に明るくなっている。表情はマゼンダが強い。お洋服は,少し黄色味がある。 (3)(2)に比べ,表情のマゼンダは抑えられている。お洋服は(2)より,わずかに明るいが,黄色味は増した印象。全体では,少しコントラストが低下して,ちょっと眠くなったが,1枚だけで見れば気にする程でもない。 この1コマに限れば,(2)はちょっとだけど,(3)なら合格ラインに達したという印象でした。 この処理の流れですと,EPPの画面表示とプリントが合う筈もないと思われますが,画面では,それらしい補正になっていたのが,プリントすると印象が変わってしまいました。このプリンタの色のクセ(個体差)なんでしょうかね。 5500でのプリントも試しました。設定はPX-5600の(3)のみ。 補正はされているのだが,補正量が全然足りない感じです。 ここで,手持ちのソフトで自動補正機能がNO.1の富士フイルムのFinePix Viewer for Windowsを投入。以前,試したFinePix Viewer for Windowsのレポート。 プリントはFinePix Viewerで自動調整(FinePix Viewerでは,こう呼ぶ)だけを行い,FinePix Viewer内からプリントしました。(プリンタドライバのパラメータ デフォルト,オートフォトファイン!EX使用の2種類) この2種を比較すると,ほとんど同じ。オートフォトファイン!EX使用の方が,わずかに黄色っぽい。 それでは,EPPとFinePix Viewerのプリントを比較すると... ひと言でいうと,FinePix Viewerの方が,フロンティア調っぽい。そりゃ,そうだ(笑 見た目の全体の印象は,FinePix Viewerプリントの方が,見栄えがします。対するEPPプリントは,よく言えば控え目。悪く言えば色が薄い。 表情も,FinePix Viewerプリントの方が良好。ヘアーも分離がハッキリしており,耳の辺りも背景から,ちゃんと浮き上がっています。お洋服の諧調も,明らかにEPPより良好。赤の出方も,FinePix Viewerの方が,鮮やかさがあります(EPPは眠い)。 FinePix Viewerプリントを見てしまうと,EPPプリントは不合格の扱いにせざるを得ません。 証拠↓(厳密な比較用ではない) 上段 PX-5600の上記(1)(2)(3) 下段 PX-5500,PX-5600+FinePix Viewer(デフォルト・オートファイン) 引き続き,以前,5500で試した時の画像をEPPとFinePix Viewerでプリントしてみました。 EPPは(3)の設定。 FinePix Viewerは,プリンタドライバの設定はデフォルト(オートファイン未使用)としました。 ●海山真央ちゃん どアンダー。 EPPは,明るくなっています。けど,やり過ぎ。表情はハッキリしていますが,コントラストが低い。お洋服も飛んでしまったところが間々見受けられるし。 FinePix Viewerの方が,全体としてはまとまりがいいです。ただ,単純に比較し,表情に限ればFinePix Viewerの方が暗いです。 モデルさんが貰って嬉しいのは,FinePix Viewerの方。たぶん。 お洋服やネックレスが,ちゃんとしているし,現場の雰囲気を残しているから。 ●加納のりこちゃん 光源がタングステン。 ホワイトバランス補正は,FinePix Viewerの方が全然,上。 EPPは,ほとんど補正効果なし。 ●青山恵子ちゃん 快晴日陰。 明るさの補正は,どちらも似たような感じ。 ホワイトバランス補正は,FinePix Viewerも少しされているが,EPPの方が上。 モデルさんが,展示会のエプソン ブースのコンパニオンちゃんだから,ちゃんと補正されたのか?そんな(笑 証拠↓(厳密な比較用ではない) 上段 EPP 下段 FinePix Viewer やっているとキリがないので,これにて終了。 結果は,FinePix Viewer 3勝,EPP 1勝。 EPPは,PX-5500+オートファイン6よりPX-5600+オートファインEXで進歩していることは,わかりました。 たった4コマのサンプルで結論というのは,無理がありますが,FinePix Viewerの方に,歩がありそうな感触でした。 引き続き,オマケ。 PX-5600発表会で,エプソンさんの技術の方に「EPPは,CRタグを参照している」と聞きました。 CRタグというのは,Exifにあるタグのことで,プリントの際に自動補正をする/しないを制御するものです。このblogには,何度も書いていますので,検索すれば,たくさん出てきます↓。 http://www.google.co.jp/search?q=CRタグ+site%3Arainbow55.exblog.jp FinePix ViewerでCRタグを0→1へ変更(=自動補正をしない)して,EPPで開いてみましたが,画面上では,自動補正(=オートファイン)を選ぶことが出来てしまいました。当方が期待していたのは,ここで,自動補正が選べなくて,「補正なし」だけになってしまうこと。けど,そうは,なっていません。 念のため印刷もしてみましたが,やはり補正がされています。 当該画像のExifも確認しましたが,Custom Rendered:1になっています。 この画像を再度,FinePix Viewerで開き「自動調整」を試みると「CRタグがONになっているので,自動補正はダメ」と怒られてしまいました。この動作は,期待していた通りのものです。 これらを見る限り「話が違う」と言わざるを得ません。 それとも,当方の質問の仕方が悪かった?当方の受け取り方に間違いがあるの? 「補正はオートファインの機能。CRタグはEPP側。ポイントが違うので,CR=1でも補正は入る」そういうことなのか? そうであっても,全体で見れば違うような気がするけどなぁ。あれで,CRタグを参照している,と言えるのかしら? EPPが,CR=1でも自動補正が出来るようになっているのは,オペレーター操作(=ユーザー操作)で人間が目で見て判断しているのだから,ユーザーベネフィットの観点から,そうしている。 そういう理屈もあるのかもしれません。確かにExifの規格票には「(自動補正は)無効もしくは最小限」の旨が書かれていますので,自動補正を完全停止する必要はありません。けど,実物は,最小限と自動補正ONは,同じにしか見えません。だいたい,規格の本来目的から言ったら,それでは,みんなごっちゃ混ぜ。カメラの撮影モードによっては,撮影時点でカメラがCR:1にしている場合もあるわけで,それを無視して自動補正をしてしまっては,CRタグ自体を否定することになってしまいます。 そういう見方をすれば,Exif Print対応ソフトだと名乗るなら,フジがFinePix Viewerでやっているように,自動補正とCRタグの切り替えをセパレートするのが本筋だと感じます。 こういうところは,毎度毎度,さっぱりわかりません(笑 ソフトの挙動は,トライ&エラーで試せば,わかることが多いのですが,その理由までは,全然わかりませんから(苦笑 さらに,オマケその2。 海山さんを撮ったカメラは,フジF31fdです。他のはキヤノンEOS-1D MK2。 海山さんの画像をEPPで開いて,自動補正を見ると「PRINT Image Matching」が選択できるようになっています。 PRINT Image Matchingって,何だ? ググって,先頭に表示されたもの↓ http://www.epson.jp/products/pim/ そっか,PIMだぁ。まだ,やっていたのか(笑 PIMというのは,Exif Print(=Exif 2.2)に似て非なるもの。過去の話を,この記事に書くと強烈になってしまうので,別記事にあげておきます。関心がある方は,そちらの記事をみてください。 このページ↑の対応プリンタを見ると,PX-5500/PX-5600が入っていません。PX-5600は新モデルなので,いいとして,5500も入っていないとは? そうみると5500が未対応機なら,PX-5600も未対応機なのか? EPPでPRINT Image Matchingを選んでも,画面上では変化を確認できません。一応,PX-5600で印刷もしてみましたが,補正なしと同じに見えます。 そもそも,PX-5600が未対応機ならば,いくらプリントをしても,効果はないですけどね。 PX-G920は,対応機になっています。 EPP上で,プリンタをG920に切り替えて画面表示で確認しましたが,画面上では,変化が認められません。 現在,G920は,PX-5600に置き場所を奪われており,試すことが出来ません。わざわざ出してくるほどのことじゃないので,今回はパス。 これ以外に,小顔補正も,興味があったりするわけですが,ここに書くと長すぎなので別稿にしますわ(笑 ■2008.7.17 追記 エプソン プロセレクション ブログからお越しの方へ PX-5600モニターに関する記事はPX-5600モニターというカテゴリーにまとめています。この下↓にある|PX-5600試用モニター|のリンクで,他の記事もご覧いただけます。
by rainbow-5
| 2008-07-12 22:33
| PX-5600試用モニター
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