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sRGB v1.31(Canon)の雑記帳
 もう,ここまで来てしまうと,写真とか,カメラとかじゃなくて,色を扱っているだけの,ただの情報処理システムのハナシ(笑
 に,なっているのは,重々承知しているのですが,ニコンのを見てしまったので,自分のメモとして残しておきます。なんか,あとで,蒸し返しがありそうな,よか~ん。

 先に書いたsRGB v1.31(Canon)の記事の参考資料やメモ類です。以前から書き留めていたものや今回調べたもの。直接関係ないのもの。がらくたのようなもの。順不同。脈絡ナシ。



■キヤノン クリエイティブパーク
http://cp.c-ij.com/ja/
 以前は,ここにDPPのチュートリアルがあったけど,今はなくなってしまったの。

■Preferred CMM Typeにある「Lino」?
 これって,独・ライノタイプだよね。たしか,ColorSyncも大もとはライノが作ったハズ。今は,独・ハイデルベルグ社の傘下になったハズ。
 Macの英文標準フォントに最初に搭載されたHelveticaはライノによるもの。当方のお気にタイプフェースであるUniversやOptimaもライノのよるもの。
 ハイデルベルグ社ちゅーのは,世界最大の印刷機メーカー。オフセット印刷機とか。日本はともかく,世界中のお札は,ハイデルベルグで刷られている。
 ICCプロファイルの仕様書などをみると,参画している会社は,HP(Hewlett-Packard),Xerox,SGI(Silicon Graphics, Inc.),Sun Microsystemsといった感じ。みんな,印刷や画像処理なら,ひと言,言わせろ,ってところばかり(笑
 不思議なのは,言いだしっぺのAdobeが,全然出てこないこと。AdobeがHPやXeroxをうまいこと使ったということなのか?
 Exifは富士フィルムが大もと。

■物理的にICCプロファイルの付いていない画像(例:カメラJPEG)をMacで表示させてみる
 デジカメ画像を意識していると思えないソフト(例:PictureViewer)→おそらくAppleRGBで表示している
 なんと,Safari for Macもこっち(笑
 デジカメ画像に対応しているソフト(Photoshop,Graphic Converterなど)→sRGBで表示される感触
 明示的なカラマネをしていないMacでのハナシ。Mac教の方々は,色管理なると,アレコレ言うけど,こんな程度じゃん。もち,sRGBなんか,相手にしていない,ってご主張は承知の上で。
 モニターをキャリブしているユーザーなんて,極く少数派なわけで,一般の大多数を考えたら,sRGBで表示するのが吉。されど,そうなると全てのアプリケーションに例の流れ図のロジックを組み込む必要がMacでは出てくる。WindowsはsRGBだから,なりなりとは言え,おおむね良好な色調となってくれる(苦笑

■ICCの仕様書などではDSC(デジタルスチールカメラ)は対象になっていない
 CMS対象機器↓
・入力機器
 PHOTO CD,VIDEO INPUT(ビデオカメラ),COLOR SCANNERS
・出力機器
 COLOR PRINTERS,VIDEO OUTPUT(DVD再生機)
・入出力機器
 DISPLAY MONITOR,NETWORK
 あくまで例示なので,DSCが入っていなくてもいいのだが,でも,ビデオがあるなら,DSCもあっていいように思ったりもして。

 ありがちな,カラマネの対象機器の例↓
http://www.epson.jp/products/printer/inkjet/colorio/printtechnic/09/1-1.htm
 DSC入っているじゃん(笑
 これはプロファイルの適用分野なので,厳密には言えばCMSの対象機器を説明したものではないので,この図は,誤りではない。
 けど,ごちゃ混ぜにしがちだわね。

■DPPマニュアル(PDF)にある「ICCプロファイルを画像に埋め込む」の説明
> 画像に設定されている色空間(p.59、p.68)情報がICCプロファイルに附加されます。
 狭義的に解釈すれば「色空間」なのだから,sRGBかAdobeRGBということになる。されど,ICCプロファイルに格納される情報は「色空間」だけではない。
 機械処理の内容からすれば,作業用色空間に基づいてプロファイルを埋め込むことになる。
 いずれにしても,多くの人が,この文言により期待する動作(及び利用目的)と実際の動作の間には,乖離があると思う。
 じゃ,何か問題が生じるか,というとほとんどの場合では,無害だから,まぁいいか。

■ICCプロファイルの規格は,細かいところまで規定されている。
 技術的な背景までは,わかっていないが,この感触から行くと,キヤノン独自sRGBのような値が異なるプロファイルをsRGB IEC61966-2.1と名乗らせるのは許さないのではないか?

■JIS規格
・JIS X 9204
 高精細カラーディジタル標準画像(XYZ/SCID)
・JIS X 9205
 電子製版画像データ交換用タグ付きファイルフォーマット(TIFF/IT)
 付属書J.TIFF/IT画像でのICCプロファイル

 JISではないが,AdobeはAdobeRGBを国際規格にしたくないみたい

■Aperture
 Appleも6500K,ガンマ2.2を推奨なのね(笑
http://support.apple.com/kb/HT2026?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP
 しかも,わざわざフロンティアにまで言及しているわ。ステキ(笑

■Canon ImageGateway
 これは,印刷の技法紹介のページ↓
http://www.imagegateway.net/ij/digitalphoto/professional-print/colorprint/000013.html
> Digital Photo Professionalで現像して保存するときに、ICCプロファイルを埋め込んでおくとよいでしょう。
 「よいでしょう」って,弱い推奨?笑
 表現上の問題。

■DPPの経緯
・DPP 1.0
 EOS-1D MKIIと同時発表
 DPP 1.0のマニュアルを見ると「ICCプロファイルを画像に埋め込む」はない。この頃はピクチャースタイルはなくて,カラーマトリックス。
 Ver 1.0では,なんでもかんでもICCプロファイルが埋め込まれていたのか?それとも,物理的な埋め込みは,一切出来なかったのか?
 もう,マニュアルしか,残っていないので,現物での確認不可。

・DPP 2.0
 初めてピクチャースタイルが搭載されたEOS 5D(初代)と同時発表。
 DPP 2.0のマニュアルを見ると「ICCプロファイルを画像に埋め込む」が載っている。これが選べるようになったのは,ピクチャースタイルからなんだよなぁ~。

・DPP 3.0
 いつから?(調べていない)

■変換→変換→変換・・・
 PhotoshopでsRGB v1.31(Canon)→sRGB IEC61966-2.1へ変換してもいいにはいいが,色味が変ってしまう可能性あり。ただ,変化がハッキリしている画像に出会ったことがないので,どの程度の変化量なのか不明。
 逆に言うと,その程度の違いなのだから,実用上問題のないレベルだと思う。余程,限界ギリギリじゃなければ,問題化することはないと推定。
 ちゅーか,そんなことをアレコレ考えるなら,DPPでsRGB IEC61966-2.1出力した方がいいと思ってみたのだが...

 昨日,エコプロで撮ったラインアップの写真。
 DPPで生成したキヤノン独自sRGB付き画像をPhotoshopで標準のsRGBへ変換したら,色味が変ったような?変ってないような?
 ただ,ヒストグラムは,ほんのちょっとだけ変化した。RGBでいうと,Rのシャドー側。
 色味が変っていたとしても,わからない。誤差のレベル。
 ピクチャースタイルは,スナップショットポートレートで確認。他はやっていない。
 ヒストグラムの値(平均値の場合)↓
・DPPでプロファイルを埋め込まず 135.95(sRGB IEC61966-2.1)
・DPPでプロファイルを埋め込む  135.95(sRGB v1.31(Canon))
・これ↑を変換          135.94(sRGB IEC61966-2.1)

■sRGB v1.31(Canon)の白色点の値が,それなりに違っていること
 まさか,モニター6500Kで,プリントする際に,適切にさせるため?プリンタはたぶん5000Kにしていると思われ。
 まさか,こんなことはしていなだろう。

■ニコンD1xの画像に付いていたICCプロファイル
 iMacの中に,どういうわけか,D1xのサンプル画像が残っていた。たしか,ニコンWebサイトから入手したもの。Exifのバージョンは2.1。
 付いていたICCプロファイルの主な値↓
・色空間           rgb_(_は20h)
・優先するCMM         NKON
・メーカー          none
・モデル           (16進で)000000010000...
・プロファイル表示名(desc) Nikon sRGB 4.0.0.3000
・製作者           NULL
・著作権表示         Nikon Inc. & Nikon Corporation 2001
 ん,まぁ,思いっきり,なんじゃ,こりゃ?って,感じですわ(苦笑
 突っ込みどころ満載だけど,Photoshopは,怒ることもなく,何事もなかったように,sRGBで表示されてくれるの。

■Nikon Capture NX2のPDF版マニュアル
・Apple RGB
> Macintosh用モニターの平均的なRGB色空間です。
 う~ん,昔からあるヤツ。思い返してみれば,Macintosh IIのApple 13'Color Monitorまで先祖返りするのか?たぶん。
 あのトリニトロンは,ガンマ1.8,色温度6500K。欧米の(商用)印刷基準に準じていたと記憶。今でも,Macはガンマ1.8だと信じ込んでいる御仁もいるが,印刷=写真じゃないよね。あれは宗教であるからにして信仰に対して傍からアレコレ言ったりしませんよ。
 現代のMacやApple Cinema Displayとは無縁の伝統的ブラウン管の世界。
・Color Match RGB
> Radius社のPressviewモニター用の色空間で、Apple RGBよりもやや色域が広く、
> 特に青の色域が広いのが特徴です。

 Radius。なつかすー。
 あたしゃ,SE/30+RasterOpsだったので,Radiusは縁がなかっただす。今,Radiusって,あんの?
 カラーマネージメント普及前の昔の超高級機との互換性を維持するものなので,今の人は,無視してよろし。
・Adobe Wide RGB
> Adobe社が定義した可視カラーの大半を表現できる色空間です。(途中略)
> バージョン5.0以降のAdobe PhotoshopのRGB設定の「Adobe Wide RGB」に相当します。

 これって,Wide Gamut RGBでいいの?って,思ったら,ちゃんと補足の表があって,
> Adobe Photoshop Ver.5.5より前:Adobe Wide RGB
> Adobe Photoshop Ver.5.5以降: Wide Gamut RGB

 だってさ。
 こんな広いの,当方には縁がありませんけど。
・Bruce RGB
> Bruce Fraser氏が定義した色空間です。Gの色度をxy色度図上で「Adobe RGB」のGと
> 「sRGB」のGの間に定義し、sRGBの青色色域を広げてSWOP CMYKの色域を包含しています。
> Bruce RGBのRとBは「Adobe RGB」と一致しています。

 こんなのが,あるんだぁ(驚
 (規格の説明なのに)こういうところに,どうして個人の名前が出てくるのか?
 それが,ふつーの見方でしょうな。
 そういう教祖様がいたんです。インクジェットプリンタの印刷で,ICCプロファイル印刷が良いと決め込んでいる方,sRGBよりAdobeRGBの方が必ず偉いと信じている方は,故Bruce Fraserさんがお作りになったプロファイルなので,有り難く使わせていただくように(w

■Adobe自身の説明
 当方が捜し求めているものは,見つけることが出来ず。英語版ならあるのかもしれないが,当方にはハードルが高い。
・Adobe Photoshop 5.0 のカラー管理
http://www.adobe.com/jp/support/techguides/photoshop/cms1/cmsps5.html
・Adobe Photoshop 6.0のカラーマネージメント
http://www.adobe.com/jp/support/techguides/photoshop/cms6/
・Kodak Photo CD イメージをAdobe Photoshop 5.x で開く
http://www.adobe.com/jp/support/techguides/photoshop/photocd
・カラーマネージメントシステム テクニカルガイド
http://www.adobe.com/jp/support/techguides/photoshop/cms3/cmsdef.html
・ヘルプ リソースセンター
http://www.adobe.com/support/documentation/jp/
 こういうの↑を見ても,Photoshopが,どんなロジックで画像の色空間を判断し,画面左下にプロファイル名を表示しているかの説明はない。
 Adobeは昔からだが,ドキュメントはあるが,知りたいことは書いていない(笑
 当方の見方では,いわゆるユーザーサポートに誘導するためなのだと思う。Photoshopの場合,1インシデント:5,145円(税込)。5千円払って,ロジックを教えてもらってもなぁ。

■RAW Image Taskが標準sRGBプロファイルにしているわけ
 RAW Image Taskもピクチャースタイルを使っているが,ICCプロファイルを埋め込んだ場合,物理的に埋め込まれるプロファイルは,キヤノン独自sRGBでなくて,標準sRGB。
・RAW Image TaskはカメラJPEGのシュミレーターなので,カメラJPEGに準じて標準sRGBプロファイルを使う
・RAW Image Taskは作業用色空間のような概念を持っていないのではないか?よって画面表示もカラーマネージメントと呼べる水準に達していない。(環境設定に項目はあるが,実装が不充分な可能性あり)→RAW Image Taskだけで,いわゆる色の追込みをするのは難しいかも?
・生成される画像は,カメラに準じるものであり,(行為は同じであるが)RAW現像と呼べるものではないので,プロファイルを埋め込むにしても,標準sRGBプロファイルを物理的に埋め込む(のか?)
 以上,当方の想像。

■Digital Photo Professional(DPP) (初登場時の説明)
http://www.canon.co.jp/Camera-muse/tech/report/200407/report.html
> この系列のRAW現像はそれぞれのEOS DIGITALカメラ内部で行われている超高速映像
> エンジンによる画像処理アルゴリズム(パソコンよりも格段に高速処理)に準じている

 「この系列」とは,今で言うところのRAW Image Taskになる。
> パソコンによるRAW画像の快適・高速現像を実現する
 確かに,DPPは軽い。
 RAW Image TaskとDPPの違いは,これになる。

■歴史的経緯
 今となれば,どうして,こうなっているのか?みたいなことが多々あるのが,システムの世界。その時々の経緯,背景,互換性への配慮という事情があったりします。(政治的なハナシとなれば業界の力関係や思惑とか。笑)
 この世に出てきた順番↓
 1993年頃 最初のICCプロファイル
 1994年頃 最初のExif
 1998年頃 sRGB規格化
 1998年頃 Exif 2.0(sRGB明確化)
 2002年頃 Exif 2.2(AdobeRGBサポート,Exit Print,sYCC明確化)
 (参考 1992年 Kodak PhotoCD登場)

■Ignore EXIF Color Space ユーティリティ
http://www.adobe.com/jp/support/downloads/1881.html
 こんなのが,あったのか。
 内容は,今となれば古新聞で,過去のものです。
> Adobe Photoshop 7.0.1はカメラから提供されるICCカラープロファイルとEXIFメタデータを
> 読みとって、それぞれの画像に最適なカラースペースを決定します

 やっぱり,そういうロジックが組み込まれているわけね。
> デジタルカメラの中には、撮影者がさまざまなカラースペースを利用できるようにして
> いながらも、画像にICCプロファイルを埋め込まず、常にEXIFデータの中でsRGBカラー
> スペースを指定するものもあります

 Photoshop 7.0の頃ですから,規格の過渡期だったと思われます。
 今さら過去のことをアレコレ言っても仕方ないところですが,Adobeの書き方だけですとカメラが悪いような言い分です。このカメラって,オープン規格で使うことを前提にしていなかった可能性があります。別々の会社のカメラや画像ソフトを組み合わせて使うということは,規格で標準化されている必要性があるわけですが,この時分は規格の過渡期で標準化が遅れていたと思うのです。オープン規格に準じるなら,規格が決まってからカメラを出すべきだったのでしょうが,カメラメーカには,ユーザー側から強い要請があって規格確定の前にクローズ使用を前提に製品化したと推察します。
> Photoshopは、各画像にsRGB ICCプロファイルが付けられているかのような
> 動作をしてしまいます

 Exifでオプション色空間が規格化される前なら,こうなって当然だわね。

■Windows Vistaの新色管理システム「WCS」とは~進化したカラーマネジメント機能
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2007/03/06/5730.html
> Adobe RGBモードで撮影しても、(ごく一部のプロ機を除き)生成されるJPEGファイルには
> カラープロファイルが埋め込まれないからだ

 1.AdobeRGBのカメラJPEGでICCプロファイルを物理的に埋め込むプロ機がある?(驚
 2.本田さんが指摘している動作は,Firefox3.0(CMS設定済)も同様。

■D1X / D1H のファームアップについてのご案内
http://www.nikon-image.com/jpn/support/whatsnew/2002/d1xhv110.htm
> ・ICC プロファイルの埋め込み対応
> カラー設定をモード II に設定して撮影した画像に、ICCプロファイル (Adobe RGB) を
> 埋め込むようにしました。

 これが,本田さんの言う「ごく一部のプロ機を除き」なのか?
> ・Exif 2.2 に対応
> Exif 2.2 (愛称 Exif Print ) に対応しました。

 Exif 2.2ではオプション色空間(=AdobeRGB)を規定したので「ICCプロファイル(AdobeRGB)を埋め込む」必要はないのだが?
 今となれば,そういうことになりますが,D1X/D1Hの頃は,上記Photoshop7.0のように画像ソフト側もロジックが定まっていなかった過渡期だったのでしょう。ですから,確実にAdobeRGBを認識できるように,いわば保険の意味で,プロファイルとExifの両建てで,AdobeRGBを定義したのではないでしょうか。

■カラーマネージメント
http://cp.c-ij.com/ja/photoretouch/reference/setup/setup03.html
> デジタルカメラの多くは、sRGBという色空間を利用して画像を記録していますが、
> その画像データにはプロファイルが埋め込まれていません。Photoshopは便宜的に
> デジタルカメラのデータ(正確にはExif対応の画像データ)をsRGBと認識します

 「便宜的に」
 確かに。

■EOS-1D MarkIII
http://cweb.canon.jp/camera/eosd/1dmk3/feature-description.html
> Adobe RGBで撮影した画像をPCで処理する際、Exif2.21対応アプリケーションでは
> 自動的にAdobe RGBの色空間が選択されるため、ファイルを開くたびに色空間を指定する
> 煩わしさがありません。

 これはカメラの機能じゃなくて,規格の説明だわね(苦笑
 チェックしたのは,それじゃなくて,この言い回し。Exifによって色空間は選択される,と読み取れるわけです。

■PIXUS iシリーズ
http://www.canon.co.jp/Camera-muse/tech/report/200212/report.html
> 特徴3 Easy-PhotoPrint
> アプリケーションソフト「Easy-PhotoPrint」を新開発。デジタルカメラで撮影した画像を
> sRGBへクリップせず、直接処理することで、ピクサスの広域な色空間をも最大限に活用した、
> これまでにない色表現を実現します(図4)。

 あ~ん,やっぱり,やっているんだぁ。
 Easy-PhotoPrintというのは,キヤノン製インクジェットプリンタに添付されているデジカメ画像をプリントするソフト。今は,Easy-PhotoPrint EXという名前のハズ。Easy-PhotoPrint Proとは,別物。EPSON Easy Photo Printや富士フイルムのFinePix Viewerと同じ毛色のソフト。
 Exif 2.2対応デジカメのカメラJPEGはsRGBということになっているが,物理的にはsYCCという色空間で記録されている。この色空間はマッピング上,AdobeRGB,ProPhotoRGBよりも広い。PhotoshopなどsRGBを扱うソフトにカメラJPEGを読ませると,sRGB色域外のデータは読み捨たり,丸めたりするので(これをクリップと呼ぶ),sYCCではなくて,ただのsRGBになってしまう。
 ここにあるキヤノンの記事は,クリップせずにsYCCの色空間をそのまま利用することにより,sRGBを超えるプリントを行うということ。(プリンタのインクがsRGBを超えている必要はある)
 当方の知る限りで,このような活用を最初にやったのは,富士のミニラボ機フロンティア。
 世の中のモニターがsRGBの色域を100%表示できるものが限られているのと同じように,デジカメもsYCCの色域を100%満たす形で記録しているとは限らない。
 そういう事情はあるにせよ,この手合いの簡易版ソフトを利用する際には,調子込んでPhotoshopを使って自分で画像加工するより,カメラJPEG撮りっぱを,そのままソフトにかけた方が良好なプリントになることもある。

■キヤノンPro9000の電子マニュアル
・sRGBデータ(カメラJPEG)の印刷は,いわゆるドライバ補正での印刷を推奨
 sYCCを活かすためにEasy-PhotoPrintを薦めています。
・AdobeRGBデータの印刷は,プリンタプロファイルを用いた印刷を推奨
 説明では,プリンタの性能を発揮するためにプロファイルを印刷を薦めています。
 RAWデータもAdobeRGBで処理することを推奨。
 キヤノンの電子マニュアルより拝借した図↓
sRGB v1.31(Canon)の雑記帳_f0158244_12494918.jpg
 エプソンさんの電子マニュアルは,機能解説だけで,こういう切り口での説明はないんだよなぁ。

■SILKYPIX 3.0
 Exifなしの8ビットTIFF生成可。
 Exifありの8ビットTIFF生成可。
 16ビットTIFFはExifなしのみ。但し,Exifを付ける事は可(Exif規定外)
 ExifありのJPEGは,YCC422等の生成可。

■カメラJPEGでAdobeRGBをPhotoshopがAdobeRGBと認識するロジック
 Exif/DCF規格では,AdobeRGBは,ファイル名の先頭に「_」を付加することになっています。
 思い出しましたわ。
 まさか,こんなので,AdobeRGB or sRGBを見分けているのか?
 って,思って,AdobeRGBのカメラJPEGに「_」有・無をリネームしてPhotoshopで開いてみましたが,どちらも,怒られることもなくAdobeRGBで開くことが出来ました。
 いくらなんでも,こんな外観で判断するわけないよな(笑

■仮説-sRGB v1.31(Canon) for Picture Style, PIXUS?
 このルートで行く場合は,組合せはなくて,一本道なのか?
 DPP(キヤノン独自sRGBプロファイル付)→Photoshop(→EPP Pro→Pro9000/9500(and imagePROGRAF))
 印刷要領はプロファイル印刷。
 印刷でドライバ補正(マニュアル補正)をしてしまっては意味がない。AdobeRGBはAdobeプロファイルだから話が違ってくる

 ここまでの仮説を立ててみたものの,印刷の実施段階の幅が,わからない。
 Pro9000/9500だけで有用なのか?EPP Proだけで有用なのか?Pro9000/9500以外のキヤノンプリンタでの有効性?キヤノンプリンタ以外での有効性?
 キヤノンが公開している書いたものに,これらについて明確に書いたものがないので,自分で調べるにしても限度がある。

■色再現をプリントへ伝達
http://cweb.canon.jp/camera/picturestyle/editor/matters03.html
> EPP ProにはEOS DIGITALのピクチャースタイルを出力に正確に活かすしくみが組み込ま
> れています。大きなメリットは、Picture Style Editorで設計された色再現が、最終出
> 力のプリントまで引き継がれてゆく一貫した連携作業にあります。その過程では、特殊
> な機種依存するしくみではなく、ICCプロファイルという標準的な色再現の伝達手段で
> 貫かれています。

 一般向けの説明ないので,これ以上の言及がないのは仕方ない。
 「出力に正確に活かすしくみが組み込まれています」単にICCプロファイルを利用していれば,正確に活かす事が出来るのか?キヤノン独自sRGBも使うことで正確に活かす事が出来るのか?そこまでハッキリ書いてあるわけじゃない。
 文脈から行くと,後者のような気がするのだが。

■2009.3.1追記
sRGB v1.31(Canon)の件をキヤノンの問合せて,その回答を得ています。こちら↓に書きました。
http://rainbow55.exblog.jp/10465751/
by rainbow-5 | 2008-12-14 21:45 | 写真関連メモ


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