人気ブログランキング | 話題のタグを見る
メディアの寿命
 ここでいうメディアとは,コンピュータ用記録媒体。要するにフロッピーディスクやCD-R,DVDとかのことです。
 今時点で比較的容量が大きいので普及しているのは,DVDになるのでしょうか?
 ことデジカメに関わる使い方となると,撮影済み画像の保管とか,バックアップ用になるのでしょうかね。



 デジカメ本体は,ちょっと置いておいて,パソコン用メディアとしてみると古くはフロッピーディスク(ディスケットはIBMの登録商標。モノは同じ)やMOなどもありますが,これらのメディアは,読取り装置が,この世からなくなると,メディアはあっても,結局,使えないということになってしまうのです。大型計算機の世界だと,紙テープやパンチカード,8インチフロッピーディスクなどが過去にありましたが,今じゃ,読むことは出来ないでしょう。
 パソコン用だと,3.5インチフロッピーディスクは,まだ大丈夫な気配ですが,Zipなんて,そろそろ危ないのではないでしょうか(笑

 何がいいたいのかというと,撮影画像をDVDなどのメディアに記録しておいても,それは未来永劫使えるとは限らない。10年,20年程度のスパンで,読取り装置がなくなってしまうかもしれないということです。
 もっとも,DVDはCD由来(直径12cm)の形状を保っており,過去の信号を読取るための互換性に配慮してあるので,当面の間は,互換性のある読取り装置が世の中から消えることはないと思われます。ただ,未来のことですから技術革新の方向によっては,CD由来の装置とは別のものに置き換わってしまうかもしれません。

 機械装置の次は,メディア自体の寿命です。これも永久に使えるとは限りません。
 音楽用CDにも寿命はあって,20年とか,30年とか言われてきました。CDの発売は1982年ですので,この説のとおりならば,一番最初に製造されたCDは,そろそろ寿命に達するディスクが出てくる筈です。これにも,やっかいな問題があって,保管方法によって,状況はかなり違ってくると思われるのです。それも10年単位のことですから,ややこしいでしょうね。要は,こっちは大丈夫だったのに,あっちはダメみたい。そういう風になると思われます。

 パソコン用で寿命が一番長いといわれているのは,MO(光磁気ディスク)です。ただ,メディアとしての流行は,もう過去のものです。
 似たような光ディスク形式のCD-RやDVDとの比較では,ディスク自体の表面保護層が厚い,記録時のレーザーが弱いのでディスクへのダメージが少ない,原理的に紫外線の影響をほとんど受けずディスク自体がカートリッジで保護されているなどの理由から,MOは50年~200年以上の寿命があると言われています。そのような信頼性・長期保管性から一部の業務用システムでは,いまでも現役バリバリだったりします。
 ただ,寿命を特定するための標準的な試験方法が定まっていないので,実際,どうなのかは,わかりません。
 仮に200年の寿命があったとして,前途したように200年後に今のMOドライブが,世の中にあるとは思えません。

 現在,主流となっているDVD-R,RVD-RAMなどは,どうなのでしょうか?一般に,DVD-Rなどはイマイチだが,DVD-RAMは長寿命といわれています。
 (財)デジタルコンテンツ協会というところが促進試験をやっています。試験報告書↓
http://www.dcaj.org/h18opt/choki.html
 このページの一番下にあるリンク(.PDFファイル)に詳細が載っています。保存環境 25℃ 80%RH,生存確率 95%,95%信頼区間による推定寿命が一般的と受け取っていいものだと思われます。これによると
・DVD-R
 台湾ブランドは全滅(エラー多発で測定不能等)。国産ブランドは11年~永久(測定限界以下)。
・DVD-RW
 台湾ブランドは全滅(エラー多発で測定不能等)。国産ブランドは28年~12400年。
・DVD-RAM
 台湾ブランドは10~139年。国産ブランドは219年~307年。

 定説通りにDVD-RAMが好成績を収めています。これもMOに同じで,仮に100年とか12400年とかの寿命があっても,その頃,読取り装置は,まず,ないでしょうね。
 どのメディアを使うにしても,機械装置を使っている以上,このようなことは,あって当然です。
 現実解としては,保存用は,装置もメディアも,お手頃価格のDVD-RWを使って,メディアは国産ブランドを使う。将来,読取り装置がなくなりそうになったら,その頃考える。されど,10年程度で見直しをする。そんなところでしょうか。

 当方の場合,バラバラです。以前のものは,MOで保管(Mac/Windows)。フジカラーCD(CD-R)とかは,そのままになってます。デジカメになってからは,外付けハードディスク(二重化)で保管しています。メディアになっているものは,時間を作って,外付けハードディスクへコピーをしようと思っていますが,全然,進んでいません。
 ハードディスクですから,あまり遠くない将来,さらに次のディスクへコピーをする必要があります。その時々で,半永久的にコピーを繰り返してデータを持って行くことになります。メディアに保管する場合と比較して,手間・費用・安全性などで,どちらが,いいのか?面倒くさいので詳細に吟味していません。強いて言うなら,わかりやすさ優先ということでしょうか(笑

 機械装置,メディア自体の寿命の次は,画像フォーマットの互換性です。
 現在主流で使われている,JPEGやTIFFなどの画像フォーマットも,この先,永久に使える保証はありません。より優れたものが生まれれば,それが主流になってしまうことでしょう。世の中に,今の時点で,これだけ普及してしまったのですから,JPEGやTIFFは,すぐになくなるとは思えませんけどね。
 JPEG,TIFFに比べれば,ちょっと心細いのはRAWデータでしょうか?いわゆるRAW現像ソフトが,当該RAWデータの対応を打ち切ってしまえば,もう見られません。JPEG,TIFFの方が,まだ汎用性があるので,その点では安全度が高いかもしれません。
 画像ではありませんが,当方の手元にExcel 1.0J(Mac版)で作ったデータがあります。これって,データ構造が変わってしまったので,今のExcelでは開くことが出来ません(苦笑
 JPEGやTIFF,RAWデータでも,同様のことはあり得るわけで,この先10年後,20年後のことだとサッパリわからないものです。
 当方は,RAW撮りでも,同時記録JPEGをするのを基本としています。理由は,ここ↑に記した通りで,同時記録JPEGは長期保存が目的です。将来,RAWデータを見られなくなっても,JPEGなら,どうにか見れるんじゃないかと。あとは,粗セレクトのビューイングにJPEGを使っているというものもあります。

 Excelとかのデータなら別ですが,こと写真に限れば,一番いい保管媒体は,やっぱり紙プリントになるのでしょうか?
 これなら機械装置にかけないでも,写真を見ることが出来ます。
 紙プリントだって,退色・変色はあるでしょうが,完全に画像がなくなるのは,ちょっとや,そっとじゃないでしょう。コニカが,まだ写真事業をやっていた頃,100年プリントという宣伝をしていましたが,富士フイルムだって,コダックだって,コニカと同じ試験方法で100年の保存性を確認していたそうです。富士フイルムやコダックが100年プリントを積極的に宣伝しなかったのは,保管方法によって状況が大きく左右されるので,悪条件下で退色が進みクレームなることを恐れたためです。実際は,どこも同じ実力なのです。
 インクジェットプリンタだって,染料インクはダメですが,顔料インクだったら,相当の間は,大丈夫だと思います。エプソンはアルバム保存200年・耐光性80年・耐オゾン性30年と言っています。「耐オゾン性30年」は,他のスペックからみると数値が少ないと感じますが,この試験条件は,要するに室内暴露試験に近いものです。家庭で暴露状態が30年間維持されるのは,あり得ないでしょう。30年と言ったら,額装(=耐光性80年)か,アルバム保存が一般的でしょう。

 写真に限れば,お店プリントか,パソコンプリンタか,どちらにしても,永年に渡って残すなら,結局,紙プリントが一番いいと,今は思っています。
by rainbow-5 | 2008-07-12 20:24 | 写真関連メモ


<< EPSON Easy Phot... 洞爺湖サミット >>